米国株式市場=反落、インフレ動向に注目

Reuters

発行済 2022年06月01日 05:27

更新済 2022年06月01日 07:09

[31日 ロイター] - 米国株式市場は反落して終了した。原油価格が不安定な中、市場ではインフレ動向が引き続き注目を集めているほか、米連邦準備理事会(FRB)当局者のタカ派的な発言にも反応している。

S&Pエネルギー指数は一時上昇していたが、石油輸出国機構(OPEC)メンバーの一角が石油生産協定からロシアを一時除外する案を検討しているとの報道を受けて下げに転じた。終値は1.6%安で主要11セクターで最大の下落率となった。

バイデン米大統領は31日、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長と会談し、約40年ぶりの高水準に達しているインフレ動向について協議した。

FRBのウォラー理事は30日、インフレがしっかり抑制されるまで、毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で50ベーシスポイント(bp)の利上げを行うべきだとの見解を示した。

ナティクシス・インベストメント・マネジメント・ソリューションズのポートフォリオマネジャー、ジャック・ジャナシーウィクズ氏は「市場はFRBの政策の最終段階がどうなるのか見極めようとしている」と指摘した。

S&Pの主要セクターで上昇したのは一般消費財と通信サービスのみで、それぞれ0.8%高、0.4%高だった。個別銘柄ではアマゾン・ドット・コムとグーグル親会社アルファベットの上げが目立った。

主要株価3指数は前週いずれも上昇し、過去数十年で最長の下げに終止符を打っていた。

31日の下落でS&P総合500種とダウ工業株30種は5月のパフォーマンスがほぼ横ばいとなった。ナスダック総合は月間で2%下落した。

BMOファミリー・オフィスの最高投資責任者(CIO)代理、キャロル・シュレイフ氏は「市場がV字ボトムを形成するには懸念が多過ぎる」と指摘。ロシア・ウクライナ戦争、世界経済、インフレ、FRBの政策など不透明要因があることから、株式市場は当面横ばいで推移すると予想した。

カナダの金鉱企業ヤマナ・ゴールドは3.7%上昇。南アフリカのゴールド・フィールズが67億ドルでの同社買収で合意した。買収は全て株式交換で行う。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.82対1の比率で上回った。ナスダックでも1.44対1で値下がり銘柄数が多かった。

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米取引所の合算出来高は155億2000万株。直近20営業日の平均は132億5000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32990.12 -222.84 -0.67 33160.59 33240.2 32752.34

2

前営業日終値 33212.96

ナスダック総合 12081.39 -49.74 -0.41 12137.54 12190.0 11942.50

8

前営業日終値 12131.13

S&P総合500種 4132.15 -26.09 -0.63 4151.09 4168.34 4104.88

前営業日終値 4158.24

ダウ輸送株20種 14301.49 -143.17 -0.99

ダウ公共株15種 1023.05 -12.25 -1.18

フィラデルフィア半導体 3098.69 -16.67 -0.53

VIX指数 26.19 +0.47 +1.83

S&P一般消費財 1209.68 +9.18 +0.76

S&P素材 539.06 -8.75 -1.60

S&P工業 798.27 -6.85 -0.85

S&P主要消費財 772.20 -5.66 -0.73

S&P金融 588.47 -1.99 -0.34

S&P不動産 276.44 -3.76 -1.34

S&Pエネルギー 658.00 -11.03 -1.65

S&Pヘルスケア 1537.92 -21.42 -1.37

S&P通信サービス 201.56 +0.81 +0.41

S&P情報技術 2452.89 -17.38 -0.70

S&P公益事業 375.72 -5.25 -1.38