Jトラスト Research Memo(5):2022年12月期以降は本格的な成長フェーズに入り持続的成長を目指す(1)

Fisco

発行済 2022年06月02日 15:05

更新済 2022年06月02日 15:15

■Jトラスト (TYO:8508)の成長戦略

同社グループは2021年12月期に黒字化を実現し、成長フェーズに転換したことを踏まえ、2024年12月期までの中期業績予想を新たに発表した。
最終年度である2024年12月期に営業収益1,152億円(2021年12月期比2.7倍)、営業利益177億円(同3.4倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益117億円(同10.4倍)と、大幅な増収増益を計画している。
2022年12月期以降は事業が順調に成長し、営業収益は大幅な増収となり、その後も持続的な成長を続けると予想している。
また、事業再編が進み、東南アジア金融事業が黒字化するなどし、営業利益率が飛躍的に改善する見通しだ。
実際、東南アジア金融事業は計画を上回る早さで黒字化を実現したことにより、2022年12月期業績予想を上方修正している。
なお、この中期業績予想にはエイチ・エス証券などを含め、M&Aによるプラス要因等は未反映であることから、計画をさらに上回る成長も期待できる。


同社グループでは、新たな成長フェーズに向けた今後の成長戦略として、以下のように計画している。


(1) 日本金融事業
日本金融事業では、信用保証事業の拡充と債権回収事業の強化によってさらなる収益の拡大を図り、同社グループ全体の業績をリードする計画である。


子会社の日本保証は、保証期間の長いアパートローンの占める割合が大きいこともあり、保証残高は安定推移しているが、2022年12月末の保証残高2,200億円(2021年12月末は2,042億円)達成に向け、各種取り組みを強化する計画だ。
特に、中古アパートローンでは、2022年12月末の保証残高を100億円とする期初の計画を上回るペースで順調に推移している。


信用保証業務では、既存の債務保証残高からの安定的な保証料収入をベースとして、アパートローン保証を中心とした収益構造に変わりはないが、不動産担保ローンやリバースモーゲージ型商品に対する保証事業、クラウドファンディングを活用した保証事業等への移行を図るべく新商品の開発(多角化)を推進する。
日本保証は子会社の日本ファンディングを通じてIoTを標準搭載した賃貸物件(ROBOT HOUSE)を独自のスキームで提供するほか、子会社のRobotシステム(株)が開発した不動産クラウドファンディング専用システムを販売する。
また、日本保証はROBOT HOUSEの購入者(投資家)に対する金融機関のローンを保証することで保証残高を積み増す戦略であり、2022年12月期末までに年間100億円(100棟)のアパートローン保証残高を積み上げる体制を構築中である。
2022年4月末において2022年から2023年に竣工予定の金額(販売価格)は約65億円となっており、 年間100億円ペースの体制が整いつつある。


その他の取り組みとしては、クラウドファンディングで過去に1,500億円以上集めた実績のあるシステムをベースに、不動産クラウドファンディング専用に改良したシステム「ROBOTクラウド」を2021年に開発した。
2022年のシステム受注は100社、5億円の売上を目指しているが、4月末時点で62社から申し込みがあり、今後は大手電鉄系不動産会社と提携する予定である。
また、日本保証は投資家のリスクを軽減するため、募集物件に対する不動産買取保証を実施する。
不動産クラウドファンディングシステムの販売対象は、不特免許取得企業(不特事業者240社など)及び不特免許取得申請企業(年間想定50~100社)に加えて不特免許取得検討企業(宅建業者12万件超)であり、毎月、業界に精通した弁護士等よるセミナーを開催している。
同社の不動産に対する目利き力を生かすビジネスであり、投資家は買取保証が付いているためリスクが軽減されることになる。


また、債権回収業務では、全体の市場規模が縮小するなか、債権購入価格の高騰が続いているが、コロナ禍の影響の下で他のサービサーが債権買取の入札を手控えるなか、事業拡大のチャンスと捉え、積極的に入札に参加し買取を進めている。
特に大型のカード債権は利益率が高く収益に大きく貢献することから、今後も同社グループの高い回収力を背景として安定的・継続的な仕入れを実現し事業拡大を図る。
さらに、新たな事業として開始を予定している金融商品取引法に基づく金融商品取引業においては、エイチ・エス証券が有する営業基盤や強みは引き続き生かしつつ、同社グループが持つ金融サービス等を組み合わせて顧客基盤やサービスのさらなる拡充を図り、プライベートバンキング事業などへの事業拡大を推進する計画だ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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