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Jストリーム Research Memo(6):過去4年で営業利益は5.7倍に成長

発行済 2022-06-02 16:16
更新済 2022-06-02 16:30
© Reuters.
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■事業戦略

1. 中期振り返り
Jストリーム (TYO:4308)は、2018年3月期からの4年で売上高2.1倍、営業利益5.7倍と急成長した。
動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」の販売や映像制作能力を生かしたライブ配信の拡大、それらによる自社CDNの流量の増加を軸としたビジネスを着実に展開してきたところへ、コロナ禍をきっかけに動画配信市場がさらに急拡大し、それを逃さず取り込んだことが高成長の要因である。
この結果、利益成長を見るための基礎数値である主力商品「J-Stream Equipmedia」の累計導入アカウント数は、2018年2月の1,500件から2020年5月に2,000件に達したが、2021年5月に早くも2,700件、2022年1月には3,000件と急拡大した。
月平均のアカウントの増加数で言うと、2020年5月までは18.5件だったのが、コロナ禍で58件に急増、コロナ禍特需が落ち着いた2021年6月以降も37件とコロナ禍前の2倍のペースを維持している。


さらに、市場拡大を予見し投資を先行的に拡大してきたことも、成長の大きな要因と言える。
事業投資は、ビッグエムズワイをはじめ、この5年でM&A 3件、事業譲受1件、出資1件で、投資金額累計は15.7億円、2022年3月期における関連売上は27億円に達した。
設備投資も、「J-Stream Equipmedia」や共通開発基盤などプロダクトの強化を進めるとともに、業務効率化へ向けて情報システムも加速させた。
併せて人材投資(M&Aを含む)にも積極的で、こうした先見性のある積極経営が背景となって、市場拡大のスピードにキャッチアップすることができたと言えるだろう。



3つの進化によって新しい時代に対応
2. 中期経営の方向性
「最先端の動画ソリューションを提供し、企業活動の支援を通じて社会の発展に貢献する」という経営方針に大きな変化はない。
しかし、動画配信市場が成長期に入り、動画の活用が当たり前になったこの時代において、同社は顧客の期待を超えるサービスを提供していくため新しい時代にふさわしい企業へと進化させていく必要があると考えている。
このため、ビジネスの進化、働き方の進化、グループの変革という進化へ向けた3つの改革を実行するとしている。
ビジネスの進化では、営業戦略、ソリューション戦略、プロダクト戦略、投資・財務戦略、組織・人材戦略に分類して従来の事業戦略をより一層強力に推進していく方針である。
働き方の進化は、組織・人材戦略との関連が強く、フレックス制など就業規則の改定、適切な評価とフィードバックによる人事制度の改定、社内プロセスのデジタル化の推進などによりバラエティに富んだ人材の育成に注力する。
ソリューション戦略との関わりが強いグループの変革は、子会社のソリューションを同社が積極的に販売するなどグループシナジーを本格的に追求していく。


事業戦略のポイントは、過去5年と同様に投資・財務戦略にあると弊社は見ている。
同社は数年前まで利益規模が比較的小さかったが、ここ2年で利益規模が大きく拡大、資金調達もあって資金余力は格段に向上した。
このため、資本効率の強化を進める一方で、より大型のM&Aや海外進出なども視野に入ってくると思われる。
現在の資金余力からは、従来の2倍以上となる30億円規模のM&Aは可能であり、大型M&Aや海外などの分野にも積極投資していくことで、同社の成長ポテンシャルはまた一段向上すると考えられる。
さらに、今後はESGへの取り組みも本格化する意向で、こうした事業戦略を背景に持続的な成長につなげる方針である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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