コンフィデンス Research Memo(2):ゲーム業界に特化した人材派遣・紹介事業を主力に展開

Fisco

発行済 2022年06月03日 15:12

■事業概要

コンフィデンス (TYO:7374)は、「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」というビジョンの下、2014年8月に創業したゲーム・エンターテイメント業界向け人材派遣・人材紹介・業務受託及びメディア運営会社である。
後発参入にもかかわらず、取引社数は約120社、創業以来累計で約190社にのぼり、バンダイナムコスタジオ、Cygames、グリーといった大手企業をはじめ、中堅以上のゲーム会社の大多数と取引実績がある。


1. 市場動向
同社が主にサービスを提供しているゲーム業界は右肩上がりで成長を続けており、国内ゲーム市場コンテンツ規模※は2014年の9,886百万米ドルから2018年には16,586百万米ドルまで増加し、2023年には21,249百万米ドルと予想されている。
また、世界のゲーム市場コンテンツ規模※も同様に成長基調で、2014年の75,592百万米ドルが2018年には124,427百万米ドルとなり、2023年には172,663百万米ドルと予想されている。
一方、ゲームのデバイスについてはモバイルゲーム市場規模が伸長している。
これらのゲーム市場の規模拡大により、同社の主要顧客であるゲーム会社各社の業績は堅調に推移している。
このような環境の下で同社は、今後も堅調な拡大が見込まれる国内市場に加え、将来的には海外展開も視野に入れていることから、さらなる業績拡大が見込めると弊社では見ている。


※出所:経済産業省「コンテンツの世界市場・日本市場市場の概観(令和2年2月)」。



ゲーム業界における派遣事業という観点で見ると、同社の営業利益率は競合他社と比較し高水準で推移していると言える。
一例を挙げると、2022年3月期の同社の営業利益率は16.8%であるのに対し、競合他社は8.2%、0.8%、11.3%となっている。
これは同社の競争優位性が発揮されている結果である(詳細は後述)。



「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」をビジョンに掲げ、人材事業及びメディア事業を展開

2. 事業内容
同社は「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」をビジョンに掲げ、クリエイターがキャリアアップにより自らの夢を実現し、携わった作品が評価され、所属する組織・業界・社会が発展する未来を共に創り上げていくことを目指している。
具体的には、クリエイターにはエンターテイメント業界に携わり、キャリアを高め、夢を実現することをサポートし、取引先企業にはエンターテイメントコンテンツを創るコア人材と情報を提供することでサポートしている。


同社の主力事業である人材事業は、クリエイターを募集・採用し、ゲーム業界向けの派遣・紹介・受託業務サービスを提供しており、人材派遣事業、人材紹介事業、受託事業からなる。
またメディア事業では、自社メディアサイトの運用により広告収入を得ているほか、子会社の(株)Dolphinにてメディア運営支援サービスを提供している。


(1) 人材事業
a) 人材派遣事業、人材紹介事業
主力の人材派遣事業では、ゲーム会社向けにゲーム・エンターテイメント業界の知見が豊富な即戦力人材を顧客のニーズに合わせて派遣している。
求職者の中からクライアントニーズに合わせてエントリーレベルから業界での豊富な経験を持つ者まで幅広いレベルのクリエイターを採用し、取引先企業のニーズとクリエイターのスキルをマッチングすることで配属者数を拡大し、2022年3月末のクリエイター配属数は740人となっている。
また、クリエイターに対しては、ビジネススキル研修やゲーム開発に必要な知識・スキルに関する研修などを通じたキャリアアップを図っている。
一方、人材紹介事業では、ゲーム会社向け及びIT・Web業界向けに事業の中核を担うハイスキル人材を紹介し、リサーチから入社承諾まで一気通貫で支援する。
このほか、豊富な業界経験及び高いスキルを有するプロフェッショナル人材をプロジェクトベースで提供する「フリーランス」も展開している。


クリエイターの一例を挙げると、ゲーム会社向けでは、予算・スケジュール・人員構成などプロジェクト全体を統括するゲームプロデューサー、スケジュール管理など制作現場を管轄するゲームディレクター、ゲームの企画を行うゲームプランナー、ゲーム開発のプログラミングを担当するゲームプログラマー、シナリオライター、カスタマーサポートまで多岐にわたる。
また、IT・Web業界向けでは、プロジェクトの納期・予算・人員編成など全体の統括を行うWebプロデューサー、制作現場の管理を行うWebディレクター、デザインを担当するWebデザイナーなど幅広い。


b) 受託事業
受託事業はゲーム開発・運営のうち外部委託可能な業務を代行する事業で、主にゲームタイトルのデバッグ※業務を受託している。
ゲームタイトルのデバッグ業務は守秘性が高いことから、2020年4月に新宿区に専用オフィスを立ち上げ業容拡大の準備を整えるとともに、営業・管理体制の強化を図っている。
また、人材派遣事業との連携により、新規案件のリード獲得数増加に努めている。
デバッグ業務のほか、英語・中国語・韓国語をはじめ幅広い言語に対応した多言語ローカライズサービスやカスタマーサポートも行っている。


※コンピュータプログラムのバグ・欠陥を発見及び修正し、動作を仕様どおりのものとするための作業のこと。



(2) メディア事業
女性向けメディア「Lovely」、占いメディア「Plush」、ゲームメディア「GAMEMO」などのメディアサイト運営により広告収入を得ている。
また、メディアサイトの運営ノウハウを基にSNS運用代行などのプロモーション支援も行っており、ゲーム業界のみならず幅広い業種に対応している。
現在の収益構造は広告収入が大半を占めているが、プロモーション支援受託に注力することで売上拡大を図る方針を掲げている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)


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