サクシード Research Memo(9):需要増加に対する先行投資により、2023年3月期は微増益を予想

Fisco

発行済 2022年06月16日 15:19

更新済 2022年06月16日 15:30

■業績動向

3. 2023年3月期の業績見通し
サクシード (TYO:9256)は2023年3月期の業績見通しについて、売上高3,082百万円(前期比19.0%増)、営業利益432百万円(同1.8%増)、経常利益432百万円(同2.5%増)、当期純利益286百万円(同2.3%増)を見込んでいる。
重点戦略は、個別指導教室の出店加速、オンライン家庭教師のエリア拡大、自治体向け営業組織の強化、WEBマーケティング部門の強化である。
なお、同社はサービス別業績では、自社ブランドサービスが売上高17.4億円、調整前営業利益4.1億円、外部向け人材サービスが売上高13.4億円、調整前営業利益2.9億円を予想しており、2023年3月期は人材サービスが収益を牽引する計画になっている。


コロナ禍の国内経済への影響は、ワクチン接種など諸々の対策に加えてウィズコロナへの政策転換もあって、回復傾向で推移すると見られている。
一方、学校をはじめとする教育現場では、感染防止対策によりICT化の流れが加速したものの、国際的に見ると依然遅れているということができる。
このため、教育人材支援事業では、教員不足をはじめ、ICT支援員や部活動指導員、ALT、プログラミング講師など、教員の負担を軽減するための外部委託の増加が期待されている。
特に部活動指導員に関しては、これまでの部活指導の在り方自体に様々な問題を抱えていたこともあり、コロナ禍の影響により休止していた部活動が再開すると、同社の需要は大きく増加することが予想される。
このため、全国の自治体向け営業を強化していく方針である。
個別指導教室事業においては、コロナ禍の影響で停止していた出店を、2022年3月のつきみ野校と弥生台校から再開、感染拡大の状況を注視しつつ出店を加速していく方針である。
また、新たな商圏への出店も計画している。
以上により、売上高は引き続き大幅な増加が見込まれる。
一方、個別指導教室事業で出店費用や運営費用の増加、教育人材支援事業では営業とマーケティングチームを強化するための本社増床や人材採用が計画されているため、設備費などを中心にコストをやや多目に見積もっており、営業利益は前期比微増にとどまることが見込まれている。



強みを生かしバランスの良い成長を目指す
4. 中期成長イメージ
同社の教育サービスと人材サービスのいずれも、教育という日本を支える国策のど真ん中にある、時宜を得た成長サービスである。
したがって、今後も「教育と福祉の分野における社会課題を解決し、より良い未来を創造する」という企業ミッションを積極的に遂行していくことで、成長を継続することができると思われる。
具体的には、1)個別指導教室の出店加速、2)オンライン家庭教師の生徒数増加、3)学校・自治体向け人材サービスの拡大を成長戦略の3本柱としている。


個別指導教室については、子どもが増えている人口増加エリアを中心に積極出店を続ける方針である。
2023年3月期以降は上場による知名度アップをテコに、当面の目標となりそうな100店に向け、2023年3月期の年間4店~5店から出店ペースを加速していく計画である。
また、現在神奈川をドミナントエリアとしているが、今後千葉や埼玉の人口増加エリアでも展開していく考えで、市場調査中である。
オンライン家庭教師は新たな形態のサービスだが、その利便性から同社、保護者、講師の3者3得のビジネスモデルになっているため想定以上のスピードで定着し、今後も順調な市場拡大が見込まれる。
このため同社は、全国を対象に引き続き生徒数の増加を図り、トップシェアを目指す考えである。
学校・自治体向け人材サービスは、比較的閉鎖性が高かったこともあり、一度サービスを導入すると使い続ける傾向がある。
一方、学校の教員の軽減負担や教員の不足といった課題を解消するため、学校・自治体の外部委託が全国的に広がってきた。
同社は先行の優位性や上場企業としての知名度を生かして、全国の学校や自治体に切り込んでいく方針である。


同社は、強みである事業ポートフォリオバランスとマーケティングチームを一層強化し、学校教育関連サービスのオンリーワンのポジションを確保する意向である。
さらに、それぞれの事業で時宜を得た成長を継続したうえで、社内のみで不足する場合はM&Aを駆使して成長につなげる方針である。
これにより中長期的にバランス良く成長を続けるというシナリオだが、現在のビジネスチャンスの広がりや成長のトレンドを考えると、早晩売上高で100億円も視野に入ってこよう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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