iーplug Research Memo(1):企業が学生に直接アプローチできる「OfferBox」が成長ドライバー

Fisco

発行済 2022年07月07日 15:01

更新済 2022年07月07日 15:15

■要約

1. 会社概要
i-plug (TYO:4177)は、就職活動中の学生と求人企業を対象に、企業が採用したいと思える学生に直接アプローチできる新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」を提供している。
ほかに適性検査「eF-1G(エフワンジー)」を展開し、足もとでは若手向け転職プラットフォーム「PaceBox(ペースボックス)」β版をリリースした。
従来の新卒採用は、学生が企業に応募するエントリー型であるため、企業は大量の学生から候補者となる学生を絞り込むために手間がかかり、また、学生の認知度に応募数が左右されるため採用したいと思える学生に出会いづらいという課題がある。
しかし、ダイレクトリクルーティングでは、インターネットサイトに登録された学生のデータから検索機能を駆使して(最初から絞り込んで)候補者となる学生を企業が選び、直接アプローチできるため、企業は採用したいと思える学生に出会いやすい。
極めて現代的で効果的な新卒採用の手法と言える。
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によるオンラインニーズのなかでスポットが当たったが、時代性と有効性を持ち合わせているため今後も成長を続けるのは必然と言えよう。

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なかでも同社の「OfferBox」は学生や企業から高い指示を得ており、2022年卒の学生登録数は就活生の3分の1以上となる19万人に達し、登録企業数も1万社を超えている。
というのも、企業から採用ターゲットとなる学生に直接アプローチできるモデルであるため待っていても会えない学生に会える、サービス提供開始以来蓄積されてきた企業と学生のデータを機械学習にかけることによるマッチングの効率化、上位校や理系等に偏りのない全方位かつプロフィール入力がなされている等のアクティブな学生データベース——などの特長から企業のオファー送信や学生のオファー承認が多く、採用決定につながりやすいからである。
ちなみに、決定人数※は2022年卒までの7年間で平均70%を超える成長を続けている。
「eF-1G」は、専門家の監修により高い信頼性があり、細かいメッシュと高い網羅性で受検者のパーソナリティまで捉えることができる。
単独販売もしているが、「OfferBox」には標準搭載されており、「OfferBox」利用企業は当該適性検査結果からも学生を検索することができる。
同社は2023年3月期に入って「PaceBox」β版をリリース、中途採用事業への進出を果たした。
「OfferBox」と同じダイレクトリクルーティングサービスであるため、「OfferBox」で培ったモデルが中途領域でも有効に活用できると見られており、第2の柱として期待されている。


※決定人数とは、「OfferBox」利用企業が「OfferBox」を利用して出会った学生に対して、内定(内々定を含む)の意思表示を行い、これに対して入社の承諾をした学生の人数を意味する。

2. 中期経営計画
「生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できる、プラットフォームを実現する」をVision2030として掲げ、同社は中期経営計画を策定した。
2025年3月期に売上高9,720百万円、営業利益1,980百万円を達成する計画である。
基本戦略は「新卒のミスマッチ解消に向けたOfferBoxのさらなる成長」「“HRtech × Pepple Analytics”領域における新規事業投資の加速」「エコシステム構築に向けた規律あるM&Aの実行」である。
事業別では、新卒事業は機能改善などによりこれまで以上に企業と学生との相互理解を促進させると共に出会いの機会を増加させ、プラットフォームを成長させていく。
中途事業は、「OfferBox」の技術・ノウハウをベースに、入社ではなく定着をゴールにしたビジネスの構築を垂直立ち上げすることを目指している。
適性検査事業は、デジタルマーケティングの強化やサービスの進化に注力する方針である。
そのほか、規律ある戦略的M&Aも実行していく。


3. 業績動向
2022年3月期の連結業績は、売上高3,041百万円(前期比41.4%増)、営業利益367百万円(同17.0%増)となった。
学生の就職意欲、企業の採用意欲はともに強く、民間就職を希望する2022年卒学生の3人に1人以上が「OfferBox」に登録しており、企業登録数は2021年12月末に1万社を突破した。
このため、受注高、売上高ともに引き続き高水準で、販管費が増加したものの営業利益は2ケタ増を確保した。
同社は2023年3月期の連結業績見通しについて、売上高4,366百万円(前期比43.5%増)、営業損失293百万円(前期は367百万円の利益)と見込んでいる。
売上高は引き続き強い伸びが予想されるが、「OfferBox」の更なる成長に向けた投資や「PaceBox」の垂直立ち上げなど先行投資が多く、営業損失を見込んでいる。
2023年3月期はいったん身を縮めるが、2024年3月期以降、中期経営計画に沿ってV字回復~成長期入りが期待される。


■Key Points
・ダイレクトリクルーティング「OfferBox」、適性検査を展開。
中途事業にも参入
・中期経営計画では2025年3月期売上高9,720百万円、営業利益1,980百万円を目指す
・2023年3月期は先行投資から営業損失見込みだが、2024年3月期以降、V字回復~成長期入りを期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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