日経平均は大幅反落、米中摩擦懸念や円高進行でリスク回避の売り広がる

日経平均は大幅反落。
1日の米株式市場でダウ平均は46ドル安と4日ぶりに小幅反落。

米中の景気指標の悪化やペロシ下院議長の台湾訪問計画報道を受けた地政学的リスクへの警戒感から売りが膨らんだ。
ナスダック総合指数も-0.17％と4日ぶり小反落。
米株安を受けて日経平均は180.87円安からスタート。
米中摩擦の悪化が警戒されて円高・ドル安が急速に進んだほか、中国上海総合指数や香港ハンセン指数も大幅に下落し、リスク回避の売りが広がるなか、前引け直前には27530.60円（462.75円安）まで下落した。
一方、アジア市況の下げ止まりや円高進行の一服で後場は下げ渋ったが、戻りは鈍く、安値圏でのもみ合いとなった。


　大引けの日経平均は前日比398.62円安の27594.73円となった。
東証プライム市場の売買高は11億6086万株、売買代金は2兆8232億円だった。
セクターでは医薬品、機械、精密機器を筆頭にほぼ全面安となった一方、海運が上昇した。
東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の88％、対して値上がり銘柄は10％となった。


　個別では、ダイキン (TYO:6367)やSMC (TYO:6273)、ファナック (TYO:6954)などの値がさ株が大きく下落。
東エレク (TYO:8035)やルネサス (TYO:6723)の半導体関連も弱い。
原油先物価格の大幅下落を受けてINPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)が大幅安で、住友鉱山 (TYO:5713)、コマツ (TYO:6301)、三菱重工 (TYO:7011)などの市況関連株も大きく下落。
円高・ドル安進行を背景にトヨタ自 (TYO:7203)、デンソー (TYO:6902)の輸送用機器も安い。
中外製薬 (TYO:4519)、武田薬 (TYO:4502)、第一三共 (TYO:4568)の医薬品の大幅安も目立った。
決算を発表したJSR (TYO:4185)は一時ストップ安になるなど急落。
丸和運輸 (TYO:9090)も決算を受けて急落し、三越伊勢丹 (TYO:3099)、エノモト (TYO:6928)、ファイズHD (TYO:9325)が決算リリースを手掛かりに大きく下落。
後場に決算を発表した三井物産 (TYO:8031)は乱高下の末に大幅安。
ほか、エンジン不正問題に関する報道で日野自動車 (TYO:7205)が急落した。


　一方、全面安商状のなか商船三井 (TYO:9104)と郵船 (TYO:9101)の海運がしっかり。
ファーストリテ (TYO:9983)、ZHD (TYO:4689)、ベイカレント (TYO:6532)、ニトリHD (TYO:9843)が逆行高となり、業務用調味料などの値上げを発表した味の素 (TYO:2802)が堅調推移。
また、決算が好感されたTDK (TYO:6762)と大塚商会 (TYO:4768)はそれぞれ急伸して東証プライム市場の値上がり率上位に並んだ。
松風 (TYO:7979)、セントラル硝子 (TYO:4044)、オルガノ (TYO:6368)、住友化学 (TYO:4005)も決算を手掛かりに大幅高となり、昼頃に決算を発表した双日 (TYO:2768)は後場から急伸。

ほか、京セラ (TYO:6971)、ANAHD (TYO:9202)も決算を受けて買い優勢だった。