日経平均は反発、2万9000円回復 値がさ株けん引し7カ月半ぶり高値

Reuters

発行済 2022年08月17日 15:49

[東京 17日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比353円86銭高の2万9222円77銭と、反発して取引を終えた。米国の金融引き締めに対する過度な懸念が後退し、投資家心理の改善が続いていることから、値がさ株やグロース(成長)株を中心に買いが入った。日経平均は7カ月半ぶりに2万9000円を回復。その後も堅調に推移し、大引けにかけて上げ幅を広げた。

日経平均は朝方、83円高と反発してスタートした後も、堅調に上値を追う展開。後場も騰勢は継続し、高値引けとなった。指数寄与度の大きいファーストリテイリングが連日の年初来高値となったほか、ソフトバンクグループ、ダイキン工業がしっかり。米金融引き締め加速懸念が和らいでいることから、グロース(成長)株も物色された。

日経平均の上昇は値がさ株がけん引する形となったが、東証プライム市場の騰落数では値上がりが7割超と、相場全体としても堅調だった。TOPIXは7カ月ぶりに2000ポイントを回復した。

市場では、日本株の底堅い動きは「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで続く可能性もあるのではないか」(GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー、池田隆政氏)との指摘が聞かれた。一方、池田氏は「米住宅関連指標など一部の経済統計では米景気の悪化もみられる」と話し、今後も景気減速を示すようなデータが出れば、株価の下押しリスクになるとの見方を示した。

目先の日経平均は年初来高値(2万9388円16銭)を超えられるかが焦点になる。日本株は、海外に比べて出遅れていたリオープン(経済再開)への期待感があるとされ、底堅さは継続するとの意見が聞かれた。ただ、「米中対立など地政学リスクもあり、日経平均が一本調子で上昇することは難しく、上下動を繰り返しながら徐々に水準を切り上げていくのではないか」(国内証券)との指摘も出ていた。