ツイッター、スパム対策で当局欺く 元セキュリティー責任者が告発

Reuters

発行済 2022年08月24日 00:38

更新済 2022年08月24日 08:55

[23日 ロイター] - 米ツイッターがハッカーやスパム(迷惑)アカウント対策を巡り規制当局を欺いていたと、元セキュリティー責任者で著名ハッカーのピーター・ザトコ氏が内部告発したことが明らかになった。

ハッカー名「マッジ」で知られるザトコ氏は84ページに及ぶ告発状で、ツイッターが堅固なセキュリティー対策を行っているという事実とは異なる主張をしていたと訴えた。議会委員会が関連資料を公開した。ツイッターの株価は7.3%下落して取引を終えた。

告発によると、ツイッターはスパム削減よりもユーザー数の増加を優先させており、幹部は1日当たりのユーザー数の増加に連動し、最大1000万ドルの賞与を個人的に獲得していたという。

ツイッターのスパムアカウントや「ボット」と呼ばれる実態に乏しいアカウントを巡っては、同社が情報を開示しないことを理由に、米実業家、イーロン・マスク氏が440億ドルの買収契約を撤回するなど、物議を醸している。ツイッターがマスク氏を相手取り起こした訴訟の審理は10月17日から始まる予定で、マスク氏はスパムやボットアカウントに関する情報を集めている。

告発状は先月、米証券取引委員会(SEC)や司法省、連邦取引委員会(FTC)に提出され、議会委員会にも送付された。

ツイッターのパラグ・アグラワル最高経営責任者(CEO)は社員宛ての文書で「公開された編集済みの主張を精査しているが、現時点でわれわれが目にしているのは矛盾や不正確さに満ちた虚偽の話だ」と述べた。

マスク氏からコメントは得られなかったが、ツイッターにインターネットミーム(面白ネタ)や絵文字を投稿して反応。CNNは内部告発公開後、マスク氏の弁護団がザトコ氏を裁判の証人とすることを求めたと伝えた。

上院司法委員会の共和党トップ、チャック・グラスリー議員は告発状は国家安全保障上の重大な懸念やプライバシーの問題につながるもので、調査の必要があると述べた。