イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営事業とリサーチ・ECソリューション事業が両輪

Fisco

発行済 2022年09月08日 16:12

■事業概要

1. 会社概要
イード (TYO:6038)は、誰もがメディアになる世界をプロデュースすべく、自社メディアの運営を中核に、インターネット広告やEC物販、各種サービスを提供するクリエイタープラットフォーム事業(以下、CP事業)と、リサーチソリューションやECソリューションを提供するクリエイターソリューション事業(以下、CS事業)の2つの事業を展開している。
設立は2000年で、M&A戦略を推進しながら事業規模を拡大してきた。
2022年6月末時点の連結子会社は4社((株)エンファクトリー/(株)ネットショップ総研/マイケル(株)/SAVAWAY(株))で、連結従業員数は239名(臨時従業員含む)である。


2. 事業内容
(1) クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)
自社で運営するWebメディアを通じて配信されるインターネット広告や、メディアコンテンツ及びデータの課金・販売(EC物販含む)で売上高の過半を占める。
このため、いかに効率的にWebメディアの媒体価値(UU数)を向上できるかが収益拡大のカギを握る。
そのほか、メディア・EC関連システムの開発・提供や出版ビジネスなども展開している。


同社が運営するWebメディア数は2022年6月末時点で21ジャンル75サイト(前期末比5サイト増)と5年前から比較すると約1.6倍に拡大している。
自動車やIT、エンターテインメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営していることが特徴だ。
なかでも自動車分野のWebメディア「Response(レスポンス)」は日本最大級の自動車総合ニュースメディアで、同社が運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
また、出版ビジネスはパズル・アニメ分野の雑誌を主に発行している。


(2) クリエイターソリューション事業(CS事業)
CS事業では、リサーチソリューションとECソリューションを提供している。
リサーチソリューションに関しては、自動車向け、通信キャリア向けが売上の大半を占める。
リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで行い、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取り揃え、オンライン調査からリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。
一方、ECソリューションでは、EC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。
同サービスは低コスト、短納期、高拡張性が特徴となっており、会員数で数十万人規模のECサイトにも対応している。
売上高は、ECサイト構築時の一時売上と稼働後のシステム利用料(月額課金)を計上している。



Webメディア・コンテンツを効率的に運用する自社開発システムが強み
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社の強みは、CP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを効率的に運用するためのプラットフォーム「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自前で構築していることにある。
「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現可能としている。
1)高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上アップの実現、2)ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、3)データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、4)コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。


(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。
M&Aについては、経営陣の人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。
事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を事業継続の判断基準としている。


2022年6月期までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは63サイト(うち、15サイト撤退)で、取得総額は2,012百万円(内訳は事業取得総額1,182百万円、出資総額880百万円、撤退サイト含む)となり、1サイト平均32百万円で取得した計算となる。
そのほか、自社で事業開発したWebサイトが40サイト(うち、13サイトは撤退)となっている。
「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトのほとんどで収益化を達成しており、こうした成功実績を基に最近は相手先から声が掛かるケースも増えている。


そのほか、新規事業領域で協業を目的とした戦略的な出資も実施している。
出資案件としては、クリエーター向けC2Cプラットフォーム「note」を運営するnote(株)のほか、MaaS領域でシェアリングエコノミーサービスを展開するキャンピングカー(株)、音声広告プラットフォームを提供するロボットスタート(株)、集金業務のキャッシュレス化プラットフォーム「enpay」を運営する(株)エンペイなどがある。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。 上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。

ログアウト
本当にログアウトしますか?
いいえあり
キャンセルあり
変更を保存