米国株式市場=続伸、週間ベースで4週間ぶり上昇

Reuters

発行済 2022年09月10日 06:37

[9日 ロイター] - 米国株式市場は続伸して終了した。市場参加者が景気見通しへの懸念から目をそらし、再び買いを入れたことが背景。主要株価指数は週間ベースで4週間ぶりに上昇した。

週間ベースでダウ工業株30種は2.7%、S&P総合500種は3.6%、ナスダック総合は4.1%、それぞれ上昇。米株式市場は8月半ば以降、米金融引き締めへの懸念のほか、中国と欧州で景気減速の兆候が出ていることを背景に売りが優勢になっていたため、今週の回復について、アナリストはこれまでの過度な売りの反動との見方を示している。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのリード・ポートフォリオ・ストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、ジャック・ジャナシウィッチ氏は「今回のようなテクニカルな動きによる反発があっても不思議ではない」とし、「週明けに堅調な地合いで取引が始まり、その後に消費者物価指数(CPI)の発表を控えて若干戻したとしても驚くべきことではない」と述べた。

市場は13日に発表される8月のCPI統計に注目。ウェルズ・ファーゴのエコノミストは、ガソリン価格の低下を背景に、8月の総合指数は新型コロナウイルス感染拡大初期の2020年4月以来の幅で低下するとの見方を示している。

ただそれでも市場は連邦準備理事会(FRB)が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で再度大幅利上げを決定するか注目している。前日にパウエルFRB議長がFRBはインフレ抑制に「強くコミットしている」と表明したことに続き、この日はウォラーFRB理事が経済が衝撃を吸収できるうちに積極的な利上げを進める必要があるとして、今月のFOMCで大幅な引き上げを支持する考えを示した。またセントルイス地区連銀のブラード総裁も、0.75%ポイントの利上げを支持する方向に「一段と強く」傾いていると述べた。

この日の取引ではS&P主要11セクター全てが上昇。通信サービス、ハイテク、エネルギー、一般消費財の上げが目立った。

個別銘柄では、スーパーマーケットチェーン大手のクローガーが7.4%高。通年業績見通しを引き上げたことで買いが入った。