脱炭素移行時の資金支援で指針、10の技術リストも公開=国際会議

Reuters

発行済 2022年09月26日 19:56

[東京 26日 ロイター] - 経済産業省主催で「アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(AGGPM)」の第2回会合が開かれ、アジア各国のカーボンニュートラル実現に向けた移行(トランジション)を資金面で支援する際のガイドラインを世界の主要金融機関が参加するグループが取りまとめた。ガイドラインを示すことで、様々な技術を使いながらカーボンニュートラルを目指すアジアでの取り組みを進めることが狙い。

トランジション・ファイナンスは、日本が世界に広げようとする考え方。欧州連合(EU)などが採択した「タクソノミー」では、一律の基準に合う取り組みが求められ、途上国などでファイナンスが付かない可能性があるため、地域の実情を踏まえて、段階的な移行の取り組みにもファイナンスが付くようにしようというもの。アジアでは、地理上の制約などから再生可能エネルギーに頼ることができず、カーボンニュートラルに向けては、水素やアンモニアを使うゼロエミッション火力など、様々な技術の活用が不可欠な状況にある。

トランジション・ファイナンスは環境だけではなく、供給の安定性、コストの適切性、産業や雇用等への影響などを勘案するべきだとし、各国がその国に合った形のロードマップを策定することが重要になってくる。あるプロジェクトが公表されているロードマップに整合的か、使用される技術が妥当かどうかがトランジション・ファイナンスを付けるかどうかの判断基準となる。

また、金融機関では移行の技術に対する評価が難しいため、今回、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)が低炭素アンモニア混焼や石炭・ガス火力発電所におけるCCUS(二酸化炭素の回収・貯留)など10の技術リストを公開。排出レベルに加え、供給への配慮やコストの適切性など6つの評価指標が示された。技術リストは、進展とともに、今後も拡充・見直していく。