米国株式市場=続伸、FRB積極利上げ緩むとの観測

Reuters

発行済 2022年10月05日 05:44

更新済 2022年10月05日 07:09

[4日 ロイター] - 米国株式市場は続伸して終了した。S&P総合500種は2年ぶりの大幅な上昇となった。米経済指標が軟調だったことに加え、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の利上げ幅が予想よりも小幅にとどまり、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げの手綱を緩めるのではないかとの観測が出ている。

労働省が4日に発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が110万人減の1010万件と、2020年4月以来の大幅な落ち込みとなった。

豪中銀は4日に開いた理事会で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げた。予想の50bpより小幅な利上げで、市場はサプライズと受け止めた。

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンベン氏は、豪中銀は今年に入り積極的な利上げを実施した後、利上げペースを減速する時が来たというの認識を示した最初の主要中銀だと指摘。「第4・四半期のある時点でFRBも同様の見解を示すのではないかという期待がある」と述べた。

米10年債利回りが2日連続で低下し、金利動向に敏感なテクノロジー株が買われた。

S&Pは20年5月以降で最大の上げを記録。また同指数とダウ工業株30種はこの2日間の上昇が20年4月以来最大となった。

個別銘柄ではツイッターが22.24%急騰。米実業家イーロン・マスク氏が当初の合意通り1株当たり54.20ドルでツイッター買収を進めると提案したことを受けた。

マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラはこのニュースが出る前は約6%上昇していたが、2.9%高で終了した。

大型テクノロジー株が市場の上げを主導。アマゾン・ドット・コムは4.50%高、マイクロソフトは3.38%高、アップルは2.56%高、グーグル親会社アルファベットは3.04%高。

銀行株も買われ、シティグループとモルガン・スタンレーは4%超、ゴールドマン・サックスは5%超値上がりした。

新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブは13.8%高。第3・四半期の生産台数が7363台と前期比67%増加したほか、2万5000台という年間生産台数目標を維持した。

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この日は幅広い銘柄に買いが入り、S&P構成銘柄で下落したのはわずか6銘柄だった。

米取引所の合算出来高は125億1000万株。直近20営業日の平均は116億3000万株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を6.80対1の比率で上回った。ナスダックでも3.70対1で値上がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 30316.32 +825.43 +2.80 29826.67 30325.05 29826.67

前営業日終値 29490.89

ナスダック総合 11176.41 +360.97 +3.34 11054.72 11189.96 11044.04

前営業日終値 10815.44

ダウ輸送株20種 12918.37 +453.41 +3.64

ダウ公共株15種 933.20 +18.41 +2.01

フィラデルフィア半導体 2500.11 +106.80 +4.46

S&P一般消費財 1165.04 +40.00 +3.56

S&P素材 457.98 +15.66 +3.54

S&P工業 747.20 +25.20 +3.49

S&P主要消費財 718.73 +10.86 +1.53

S&P金融 538.36 +19.66 +3.79

S&P不動産 233.88 +3.73 +1.62

S&Pエネルギー 609.84 +25.39 +4.34

S&Pヘルスケア 1475.06 +33.57 +2.33

S&P通信サービス 171.37 +4.54 +2.72

S&P情報技術 2216.14 +70.83 +3.30

S&P公益事業 349.83 +7.37 +2.15

NYSE出来高 11.56億株