ADワークスグループ Research Memo(3):2022年12月期第2四半期累計業績は増収増益

Fisco

発行済 2022年10月14日 17:03

更新済 2022年10月14日 17:15

■業績動向

1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
ADワークスグループ (TYO:2982)の2022年12月期第2四半期累計の連結業績は売上高で前年同期比4.9%増の14,355百万円、EBITDA※で同24.9%増の872百万円、経常利益で同28.6%増の629百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同10.9%増の384百万円と増収増益となった。
第2四半期末の収益不動産残高も積極的な仕入れ活動を行ったことにより、同23.1%増の33,736百万円と過去最高水準まで積み上がった。


※EBITDA(償却費等控除前営業利益)=営業利益+減価償却費+ソフトウェア償却費+のれん償却費


同社が主要エリアとしている都心部の投資用不動産の事業環境については引き続き活況を呈している。
オフィスビルの賃料は大規模オフィスビルに関しては調整局面が続いているものの、同社が注力する10~40億円クラスの中規模オフィスビルについては下げ止まっており、優良物件については入居率も底堅く推移している。
こうしたなか、売上高は収益不動産販売事業が前年同期比1.9%増と堅調に推移したほか、ストック型フィービジネスも賃料収入の拡大により同17.8%増と伸長した。
利益面では、収益不動産販売事業における利益率上昇や賃料収入の増加により、人件費や新規事業の立ち上げ費用増を吸収して2ケタ増益となった。



中規模オフィスビルを中心に取扱物件の大型化が進む
2. 事業セグメント別動向
(1) 収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前年同期比1.9%増の11,567百万円、EBITDAは同16.0%増の1,006百万円と増収増益となり、仕入活動も積極的に推進したことで第2四半期末の収益不動産残高は同23.1%増の33,736百万円と過去最高水準となった。


国内販売については前年同期の101億円(16棟)から109億円(11棟)に増加した。
販売棟数は減少したものの、オフィスビルを中心に物件の大型化に取り組んだことにより金額ベースでは増収となった。
一方、仕入高も大型物件の仕入れに注力したことで、前年同期の101億円(10棟)から107億円(9棟)に増加した(将来、組成を予定しているREIT物件も含む)。
この結果、第2四半期末の収益不動産残高は前年同期の24,875百万円から28,827百万円に積み上がり、過去最高水準となった。


販売については、需要を的確に捉えた商品企画によりラインナップの拡充に取り組んでいる。
中期経営計画のなかで戦略事業の1つとして掲げた不動産小口化商品「ARISTO」シリーズについては、第6弾となる「ARISTO西麻布」(販売総額10.5億円)を2022年6月に完売した。
同シリーズは2018年の販売開始以降、合計6物件を完売・運用しているが、これまで販売提携先となる金融機関を30行まで拡大している。
こうした販売チャネルは、その他の投資商品(国内、米国の1棟不動産や現在発行を目指しているデジタル証券等)の販売にも活用できることから、販売力の強化につながっているものと考えられる。


また、多様なワークスタイルに対応した新商品としてフレキシブルオフィス「Colony♯(コロニー)」シリーズの展開を開始し、第1弾となる「Colony♯15高田馬場」を2022年7月にオープンした。
創業間もない起業家や、設立3~5年のスタートアップ企業、ベンチャー企業などを対象として、セットアップオフィス※、コワーキングオフィス、ドロップインオフィス※、シェアオフィスなど様々な形態のオフィスを提供する。
当面は自社で保有・運用する方針であり、今後5年間で都心エリアに10拠点程度の開設を目指している(当面はストック型フィービジネスの収益として貢献)。


※セットアップオフィスとは、内装工事段階でデスクや什器などを揃えて、借主である事業主がすぐに利用できる環境を整えたオフィスを指す。
ドロップインオフィスとは、出張中や外回りの営業、テレワーカーなどが、電子メールやWeb会議、簡単な業務などを行うために、短時間仕事ができるオフィスを指す。



一方、米国販売については前年同期の12億円(5棟)から7億円(1棟+3戸※)に減少した。
2021年まで新型コロナウイルス感染症拡大で仕入活動が制限されたことで収益不動産残高が減少し、販売可能な物件が少なかったことが減収要因となった。
ただ、仕入高は前年同期の4.7億円(2棟)から22億円(8棟)に増加しており、第2四半期末の収益不動産残高も前年同期の2,541百万円から4,908百万円に積み上がっており、下期以降は販売高も回復するものと予想される。
なお、米国における収益不動産残高は2019年6月末の5,821百万円が過去最高水準となっている。


※LA住宅開発事業(タウンハウス)での区分販売


(2) ストック型フィービジネス
ストック型フィービジネスの売上高は前年同期比17.8%増の2,923百万円、EBITDAは同56.4%増の566百万円となった。
期中平均の収益不動産残高が前年同期比28.4%増の32,963百万円と大きく積み上がったことで、賃料収入が同18.9%増の6.3億円と増収に転じたほか、PM収入や内装工事売上なども堅調に推移したことが増収要因となった。
EBITDAはその大半を占める賃料収益の拡大が主な増益要因となった。
一方、PM業務についてはオフィスビルに対応したPM業務の体制構築費用が増加した。
また、内装工事事業等も人件費等のコストが増加し、それぞれ前年同期並みの利益水準にとどまったと見られる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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