午後3時のドルは上昇し150円前半、32年ぶり高値更新 米金利高で

Reuters

発行済 2022年10月21日 15:25

[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(150.14/16円)から上昇し、150.34/36円付近で推移している。日米金利差拡大が意識され、ドルは32年ぶり高値圏で堅調に推移した。

仲値にかけては実需の売り買いが交錯。その後日銀が中長期債のオペ増額や超長期債対象の臨時オペをオファーしたことで「日米金利差拡大がより意識された」(国内証券)とみられジリ高で推移。時間外取引の米金利の上昇も加わり、ドルは一時150.43円付近まで上昇した。

米長期金利は一時4.27%台と14年ぶりの高水準まで上昇。「市場が想定しているターミナルレート(利上げ最終到達点)は5%程度で変わらずとなっているものの、その期間が長く続くという織り込みになってきている」とあおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は指摘する。

ドルは150円台と32年ぶりの高値水準にある。米国の積極的な金融引き締めを背景に同国の景気失速、利上げ停止やペースダウンが今後織り込まれてくる可能性があり、「ドル/円をどんどん上に押し上げていくという動きは出ておらず、米金利の動向をにらみながらの展開となる」(諸我氏)という。

政府・日銀による円買い介入への警戒感も一段と高まっている。ステート・ストリート銀行の東京支店・共同支店長、若林徳広氏は、米連邦準備理事会(FRB)が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の利上げを実施するとの可能性が高まる中で、「政府・日銀が思い切った介入をしたとしても効果が乏しく、耐え忍ぶ時間帯」と指摘する。

若林氏は、11月の米FOMCまではドル高地合いは続くものの、「11月以降に米国の利上げサイクルの打ち止め感への期待がでてくるとみられることや、行き過ぎたドル高の調整に向けて米国政府が協調介入に前向きになる可能性がある」とし、ドル/円の上値がみえてくるとのではないか、との見方を示した。   

英ポンド/ドルは1.11ドル後半で弱含み。トラス英首相の辞任表明を受けて買い戻される場面があったものの、再び売り圧力が強まった。

市場では「英国のインフレ高止まりや経済状況は、先進国の中でも非常に厳しい状況。政権が変わったとしてもその状況が変わるわけでもなく、ポンドは買いづらい」(国内金融機関)との声が聞かれた。

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