米国株式市場=急反発、FRBが利上げペース減速との思惑で

Reuters

発行済 2022年10月22日 05:58

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国株式市場は急反発。米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合でこれまでよりも小幅な利上げを巡り検討する公算が大きいという報道を受け、安心感が広がった。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、FRB当局者の一角からは、近く利上げペースを緩めるべきという声が上がり始めている。

サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は21日、過度な金融引き締めによる「自発的な景気低迷」を回避すべきとし、利上げペースを緩める時期に差し掛かりつつあるという認識を示した。

シカゴ地区連銀のエバンス総裁も、FRBは成長を抑制して過度に高いインフレを低下させるために、来年初までに4.5%を「やや上回る」水準に政策金利を引き上げ、その水準を維持すべきとの見解を改めて示した。

USバンク・ウエルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、トム・ヘインリン氏は「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%ポイント利上げはほぼ確実となったようだが、(利上げペースの)減速や現状維持の余地が存在する可能性もある」と述べた。

週間では、S&P総合500種は4.74%、ダウ工業株30種は4.89%、ナスダック総合は5.22%それぞれ上昇し、総じて過去4カ月で最大の上昇率を記録した。

写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップは28%急落。第3・四半期の売上高の伸びが5年前の上場来で最小となったことが嫌気された。

スナップと同様、広告収入に依存するメタ・プラットフォームズは1.16%、ピンタレストも6.4%それぞれ下落した。

21日に決算を発表したクレジットカード大手アメリカン・エクスプレス(アメックス)も1.67%安。景気後退の可能性に備え、貸倒引当金を積み増したことを明らかにした。

通信大手ベライゾン・コミュニケーションズも4.46%安。四半期利益が23%減少し、ワイヤレス契約者数の伸びが予想を下回ったことが嫌気された。

一方、好決算となった石油サービス大手シュルンベルジェは10.3%上昇。S&Pエネルギーも2.76%高となった。

来週はツイッター、マイクロソフト、アルファベット、アップルなどが決算を発表する。

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米取引所の合算出来高は121億5000万株。直近20営業日の平均は115億7000万株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.59対1の比率で上回った。ナスダックでも2.03対1で値上がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 31082.56 +748.97 +2.47 30291.1 31119. 30206.

8 27 28

前営業日終値 30333.59

ナスダック総合 10859.72 +244.87 +2.31 10576.0 10875. 10542.

4 72 43

前営業日終値 10614.84

S&P総合500種 3752.75 +86.97 +2.37 3657.10 3757.8 3647.4

9 2

前営業日終値 3665.78

ダウ輸送株20種 12692.75 +263.15 +2.12

ダウ公共株15種 864.47 +15.19 +1.79

フィラデルフィア半導体 2336.69 +83.47 +3.70

VIX指数 29.69 -0.29 -0.97

S&P一般消費財 1124.42 +31.93 +2.92

S&P素材 455.08 +15.22 +3.46

S&P工業 749.96 +19.35 +2.65

S&P主要消費財 718.21 +10.99 +1.55

S&P金融 534.91 +15.18 +2.92

S&P不動産 217.36 +1.47 +0.68

S&Pエネルギー 667.35 +17.94 +2.76

S&Pヘルスケア 1474.11 +31.86 +2.21

S&P通信サービス 169.45 +1.43 +0.85

S&P情報技術 2178.40 +56.19 +2.65

S&P公益事業 321.57 +5.81 +1.84