アルファベット、四半期売上高が予想下回る ネット広告業界に懸念

Reuters

発行済 2022年10月26日 06:03

更新済 2022年10月26日 07:36

[25日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社・アルファベットが25日発表した第3・四半期(9月30日まで)決算は、売上高が市場予想を下回った。経済減速に直面する中、広告主が支出を削減していることが重しとなり、デジタル広告業界全体を巡る懸念が高まった。

アナリストの間では、デジタル広告市場のシェアベースで最大手のグーグルは堅調さを維持するとの見方が多かったが、予想を下回る決算を受け、インフレが広告支出を圧迫する状況が続くとの見方が強まった。

引け後の時間外取引でアルファベットの株価は7.2%下落。広告収入に依存するメタ・プラットフォームズも4.5%下落した。同社は26日に決算を発表する。

アルファベットの総売上高は690億9000万ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の705億8000万ドルを下回った。前年同期の651億2000万ドルからは増加した。

広告収入は544億8000万ドルと、前年同期の531億3000万ドルから増加したものの、アナリスト予想には届かなかった。

動画投稿サイト「ユーチューブ」の広告収入は70億7000万ドルで、前年同期の72億ドルから減少した。

ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は広告収入全体の減速について、第2・四半期が非常に好調だったためと指摘。ユーチューブの広告収入減少については、一部の広告主が支出を削減したと説明した。

保険、住宅ローン、暗号資産(仮想通貨)など金融サービスに関する広告支出が減速した一方、旅行や小売り関連は検索広告収入を下支えしたという。

インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は「予想を下回るグーグルの決算は、同社もデジタル広告業界全体が直面する課題の影響を免れないという証拠だ」と語った。

グーグル・クラウドの売上高は69億ドル。前年同期の50億ドルから増加した。