平山 Research Memo(9):旺盛な人材サービス需要が続き2023年6月期も2ケタ増収増益が続く見通し(2)

Fisco

発行済 2022年10月26日 16:09

■今後の見通し

(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は、旺盛な需要を背景に前期比21.5%増の2,670百万円と2ケタ成長が続く見通しだが、セグメント利益は12百万円の損失(前期は6百万円の利益)を計画している。
これはグループ内再編※に伴うのれん償却費40百万円を計上するためで、同影響を除いた営業利益は28百万円と増益見込みとなっている。
まだ投資負担が大きいため利益率は低水準にとどまるが、売上規模で40億円を超えてくれば営業利益率で5%以上の水準を確保できる体制になると平山ホールディングス (TYO:7781)では見ている。
2023年6月期の取り組みとしては以下の2点に注力する方針だ。


※2022年7月に、平山で展開していたファクトリーIoTソリューション事業を同事業と親和性の高いトップエンジニアリングに譲渡し、エンジニア部門を統合した。



a) 既存領域の技術者ニーズに対応しつつ生産技術、IT、AI領域の新分野における技術者を育成し、顧客拡大を推進
既存技術者を対象に技術研修の強化によるスキルアップ及びスキルシフトを行い、高スキル技術者として育成を図る。
また、新領域における中途採用を強化し、IT、AI領域等の新分野における顧客開拓に注力する方針だ。


b) 新卒・中途採用の強化・育成、定着率の向上
2023年の新卒採用者数は前年の58名に対して100名と大幅増を目指すほか、中途採用についても前期比2倍増の80名を目標としている。
採用環境は引き続き厳しいが、費用をかけてでも人員体制を拡充し、事業規模を拡大する方針となっている。
また、未経験者への教育によってITエンジニア、クラウドエンジニア、インフラエンジニアの育成を図り、適正な現場への配属を推進する。


一方で、既存技術者の定着率向上にも取り組んでいく。
同社によると技術者派遣市場では人材獲得競争が激しいこともあり、離職率が10%台後半と高い水準であることが課題となっている。
こうした課題を解決すべく、同社は既述のとおり2022年7月にエンジニア部門をトップエンジニアリングに統合した。
エンジニア部門を統合することによって人材採用の効率化や採用力の強化が図れるだけでなく、エンジニアに配慮した就業規則等の設定が可能となり、適正な現場配属とエンジニアのモチベーションアップを図ることで定着率の向上を目指すとしている。


(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比15.7%減の1,875百万円、セグメント利益は同42.9%減の28百万円と減収減益見込みとなっている。
売上高については、コロナ禍の再発を考慮して保守的に計画を策定した。
利益面では、コロナ禍での社会保障費への政府支援がなくなり、減益要因となるが、引き続き利益の確保を最優先に事業運営を行っていく方針となっている。


タイにおける派遣者数は3,000名前後の水準を維持する方針で、為替前提レートは3.44円/タイバーツとしている。
現状3.8円/タイバーツの水準で推移していることから、円安効果により1割程度の売上増要因となる可能性がある。


(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比36.4%増の1,022百万円、セグメント利益は同51.8%増の170百万円と高成長が続く見通し。
外国人雇用管理サポート事業とコンサルティング事業が成長をけん引する。


外国人雇用管理サポート事業については、2022年春以降、外国人の入国規制が緩和されたことを機に、技能実習生等の受入れ再開が本格化しており、国内企業に対する技能実習生の紹介や労務管理受託業務の売上も伸び始めている。
受託人数は前期の814名(外国人技能実習生の受入れ数188名、労務管理サービス提供者数626名)から、2023年6月期は1,000名を目標としている。
売上高は前期比25%増の250百万円を見込んでいるが、2022年10月から外国人入国規制が解除されたことから、さらなる上積みが期待できる状況となっている。
同事業は粗利益率で70%程度、営業利益率で30%程度と高収益事業となっているだけに、今後の動向が注目される。


コンサルティング事業の売上高は前期比15%増の115百万円を見込む。
生産拠点の国内回帰による工場の立ち上げ支援コンサルティングの売上増が見込まれるほか、AI、loT関連企業との協業によるスマートファクトリー化に対するコンサルティングサービスの需要拡大を見込んでいる。
最近はカメラとAIを用いて工場内での事故発生を防止するほか、作業者の生産性向上を支援するソリューションの需要が増えているようだ。
また、2022年9月からは海外企業向けのスタディツアーも再開しており増収要因となる。
コロナ禍前の同事業の売上高が3億円水準であったことからすると、計画を上回る可能性は十分あると弊社では見ている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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