日経平均は大幅反発、FOMCや雇用統計など各種指標に注目

Fisco

発行済 2022年10月31日 12:14

更新済 2022年10月31日 12:30

 日経平均は大幅反発。
424.13円高の27529.33円(出来高概算5億6268万株)で前場の取引を終えている。


 前週末28日の米株式市場のNYダウは828.52ドル高(+2.59%)と大幅続伸。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金利がピークに接近したとの見方が優勢に。
銀行株の上昇や石油会社の決算が好調で一段と相場を押し上げた。
また、長期金利の上昇が一段落し、大きく下落していたハイテク株にも押し目からの買戻しが見られ、ナスダック総合指数も上昇に転じた。
主要株式指数が終日堅調に推移した米株市場を受けて、日経平均は前週末比299.10円高の27404.30円と大幅反発でスタート。
その後は、堅調もみ合い展開となった。


 個別では、東エレク (TYO:8035)やレーザーテック (TYO:6920)、アドバンテ (TYO:6857)などの半導体関連株が上昇、日本郵船 (TYO:9101)や川崎汽船 (TYO:9107)、商船三井 (TYO:9104)などの海運株も堅調に推移している。
ソフトバンクG (TYO:9984)や日立 (TYO:6501)、トヨタ自 (TYO:7203)、キーエンス (TYO:6861)なども大幅に上昇。
ソニーG (TYO:6758)やメルカリ (TYO:4385)、ダブル・スコープ (TYO:6619)などのグロース株の一角、ソシオネクスト (TYO:6526)やキヤノン (TYO:7751)、武田薬 (TYO:4502)
なども上昇した。
ほか業績予想の上方修正を発表したスターティアH (TYO:3393)、通期業績予想の上方修正がポジティブサプライズとなったアルプスアルパイン (TYO:6770)が急騰、東エレデバ (TYO:2760)、エレマテック (TYO:2715)、ジェイテクト (TYO:6473)などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。


 一方、オリエンタルランド (TYO:4661)や三井松島HD (TYO:1518)などが下落。
ほか、23年3月期業績予想の下方修正及び配当金の無配を発表した大平洋金属 (TYO:5541)、23年3月期上期の営業利益が前年同期比2.8%減の31.8億円となったG−7ホールディングス (TYO:7508)などが大幅に下落した。
アンリツ (TYO:6754)、ベネフィット・ワン (TYO:2412)、テクマトリックス<
3762>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。


 セクターでは電気機器、機械、その他金融業が上昇率上位となった一方、ガラス・土石、石油・石炭、鉄鋼が下落率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の78%、対して値下がり銘柄は19%となっている。


 本日の日経平均株価は、大幅反発でスタートした後上値の重い展開が続いている。

米株高の流れを受けて本日の日経平均は買いが先行。
ただ、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えている他、足元でのロシアの穀物輸出合意停止などもあって、買い一巡後は徐々に手掛けにくさが強まるとの指摘も市場からは聞かれている。
そのほか、アジア市況は軟調に推移、米株先物も売り優勢の展開が続いている。


 新興市場はもみ合い展開が続いている。
マザーズ指数は上昇してスタートした後朝方にかけて急速に上げ幅を縮小、前場中ごろにかけてマイナス圏に転落した。
その後プラス圏に浮上するもさえない展開。
一方、グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタートした後、日経平均と同様にプラス圏での堅調もみ合い展開となっている。
ナスダックが大幅高となっており、米長期金利がピークに接近しているとの見方が広がったことは国内の個人投資家心理の改善に繋がっている。
前引け時点で東証マザーズ指数が0.13%高、東証グロース市場Core指数が0.77%高で時価総額上位銘柄が堅調に推移している。


 さて、先週は米国の大企業の決算発表が相次いだ。
GAFAMはアップルが相対的にましな決算となったが、それ以外は総じて市場の期待値に未達で米ナスダック総合指数の大幅下落に繋がり、国内の投資家心理にもネガティブに働いた。


 今週からは、重要なイベントが目白押し。
11月2日には連邦公開市場委員会(FOMC)
が最新の政策金利決定を発表する。
イングランド銀行(英中央銀行)も金融政策委員会(MPC)を今週開催、いずれも75ベーシスポイントの利上げ決定が予想されている。

FOMCでは、リセッションリスクの高まりにも関わらず、インフレ抑制に動く積極姿勢を引き続き示す見通しだが、今後の道筋についてヒントを与えるとみられ、積極的な利上げペースを緩和する方針を示唆することもあり得る。


 2日後の4日には、10月の米雇用統計が発表される。
失業率は前月比0.1ポイント悪化の3.6%、非農業部門就業者数は前月比20.0万人増(9月は26.3万人増)程度と予想されている。
雇用ペースがどの程度鈍化しているかを見極める重要な指標となるため、注目が集まっている。
8日には中間選挙が実施される。
議会多数派の交代が決まる可能性があるため、政局の動向にも注意が必要だろう。


 10日には、消費者物価指数(CPI)が発表される。
現時点の市場予想は、いまだに8%を超える前年同月比8.1%の上昇。
サマーズ元米財務長官は27日のツイートで、
「8%のインフレ率を低下させる展望は非常に暗い」、インフレ率低下のコンセンサス予想は過去の実績から著しく逸脱していると述べている。
ただ、仮に10日に発表されるインフレ率が市場予想を大きく下回ると株高材料となりそうだ。


 毎週月曜日の当欄では、常々年末にかけて一旦の反発が起こる可能性があることを示唆してきた。
GAFAM決算は大敗したものの、利上げペース鈍化を想定していることが追い風となっている。
ただ、前述の今週の各種イベント後の値動きには注意しておきたい。
今後も、筆者の想定に変化はなく、世界的に様々なリスクが散見されるなか年末にかけて一旦の反発があったとしても来年以降大きく下落する可能性があることを念頭に置いている。
さて、後場の日経平均は、堅調もみ合い展開が続くか。
米株先物の動向を横目に、個別に材料が出た銘柄中心に物色が継続して向かうか注目しておきたい。

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