訂正三菱商、今期純利益が商社初の1兆円超へ 見通し上方修正

Reuters

発行済 2022年11月08日 13:49

更新済 2022年11月08日 20:19

(本文6段落目の伊藤忠商事の利益予想を「4%減の4830億円」から「2.5%減の8000億円」に訂正します。)

[東京 8日 ロイター] - 三菱商事は8日、23年3月期の連結純利益(国際会計基準)を上方修正し、前期比9.9%増の1兆0300億円になる見通しだと発表した。商社の純利益としては初の1兆円超となる。市況高で液化天然ガス(LNG)関連事業や豪州原料炭事業の持ち分利益が業績に貢献し、自動車関連事業でも利益を押し上げる。

中西勝也社長は会見で、円安や資源高の恩恵などを除いた「実力値としては、昨年度と同様の6500億円程度で満足していない」とし、コスト削減などで競争力が出ており、下期にかけて「400億円程度の上乗せ余地はある」と述べた。同社は、中期経営計画最終年度である24年度の実力値として8000億円を目標に掲げている。

同日、上限2200万株・700億円の追加の自己株取得に加えて、1株当たり配当額を150円から155円とする増配も発表した。今期の総還元性向は、28.7%となる。前年度に31%だったことも踏まえ「30-40%を目途に追加の株主還元策を見定めていく」(中西社長)とした。

「下期は今まで以上に厳しい事業環境になることが想定されるため、相応の下振れリスクを織り込んだ」とも語った。

2022年4―9月期純利益は前年同期から倍増の7200億円で、同期としての過去最高を更新した。金属資源、天然ガス、自動車・モビリティ事業などが貢献。第1・四半期に実施した不動産運用会社の売却益も貢献した。

<大手商社、利益水準上方修正も下期は慎重>