アングル:米ブラックフライデーは人影まばら、衝動買い手控え

Reuters

発行済 2022年11月26日 07:11

更新済 2022年11月26日 08:10

[ローリー(ノースカロライナ州)/ニューヨーク 25日 ロイター] - 米年末商戦の幕開けとされるブラックフライデー(米感謝祭翌日の金曜日)には物価高に疲弊した買い物客が殺到すると見込まれていたが、ニューヨークやローリー、シカゴ、ロサンゼルスの店舗の多くでは人影がまばらだった。財布のひもを開いた人々は衝動買いなどはせず、計画的な買い物だと口を揃えた。

「安売りを待ち続けていた」──ロサンゼルスの米家電量販大手ベスト・バイで大型テレビを購入したトゥリオ・ローズさん(28)はこう話す。ローズさんは新居で使用する85インチのサムスン製テレビを約500ドル安く手に入れた。

全米小売業協会(NRF)によると、今年の感謝祭から感謝祭後に展開されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」までに買い物を計画している人は推定1億6630万人と、昨年より約800万人多い。ただ、米国では一部で散発的な雨に見舞われ、ブラックフライデー当日の店舗は例年より人出が少なかった。

米市場調査会社NPDグループのチーフ・インダストリー・アドバイザー、マーシャル・コーエン氏は「例年、この時期は駐車場を探すのに苦労するが、今年は駐車場の確保に苦労していない」と話す。

また、ニューヨーク、ニュージャージー、メリーランド、バージニアでの自身の調査に基づくと、フェイスブックやインスタグラムなどソーシャルメディアのプラットフォームから直接商品を購入する「ソーシャルショッピング」が多く、「誰もが必要なものを手に入れることだけを考えている。切迫感はない」とした。

<一部はネット通販を選好>

メリーランド州ロックビルの米ディスカウント小売りダラー・ツリーでの買い物客は特定の商品や日用品を手に取っていると話す。

J.R.モランさん(49)はクリスマスのモチーフを過剰に編み込んだ「アグリーセーター」の材料を手にしつつ、年末商戦での他の買い物はオンラインで済ませるつもりだという。「最近はネット販売のほうが便利だ」とした。

アドビ・アナリティクスのデータによると、24日の米感謝祭当日のオンライン小売売上高が前年比約3%増の52億9000万ドルと、過去最高に達した。高インフレを背景に今年の年末商戦は低迷が懸念されていたものの、消費が持ちこたえている兆候を示唆した。

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しかし、実店舗に足を運んだ人々はその大幅割引に驚いたようだ。

コンサルティング会社のカーニーによると、衣類小売業が最も積極的にセールを行っており、60%引きの商品も見受けられた。テレビや電子機器も大幅値引きが行われた。