GセブンHD Research Memo(7):2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を目指す

Fisco

発行済 2022年11月28日 15:47

更新済 2022年11月28日 16:00

■今後の見通し

2. 中期経営計画
G-7ホールディングス (TYO:7508)は創業50周年となる2026年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画をスタートした。
業績目標として2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を掲げており、2021年3月期の実績から売上高で1.53倍、経常利益で1.37倍を目指す。
年平均成長率で見れば売上高で約9%、経常利益で約6%の堅実的な成長を見据えていることになる。


目標達成に向けて同社は、以下の10項目を重点テーマとして取り組んでいく。

・事業会社各社で毎期増収増益、過去最高に挑戦する
・事業会社各社で黒字必達とする
・赤字総店舗数及び赤字総額0に挑戦する
・生産性指標となる1人当たり売上高、売上総利益の2項目ともに前期比アップを目指す
・売上伸長率を上回る利益伸長率を必達する
・投資効率の良い新規事業、新業態の開発に挑戦する
・投資効率の良い新店を毎期50~70店舗出店に挑戦する
・M&A、資本業務提携の推進に取り組む
・採用を強化し人材育成、人材教育に全力で取り組む
・ESG及びSDGsへの取り組みを推進する

主力事業の収益目標(事業会社の目標)は、業務スーパー事業で売上高1,000億円、経常利益45億円(2021年3月期比売上高1.19倍、経常利益1.13倍)、オートバックス事業で売上高500億円、経常利益25億円(同売上高1.57倍、経常利益1.20倍)、精肉事業で売上高350億円、経常利益12億円(同売上高1.91倍、経常利益1.28倍)を見込んでいる。


このうち業務スーパー事業は九州圏、中部圏、首都圏、北海道を中心に店舗数を拡大することで目標達成を目指す。
売上高は年率3.5%成長となる計算で、出店が順調に進めば十分に達成可能な水準と言える。
一方、オートバックス事業については年率9.4%の売上成長とチャレンジングな目標を立てている。
同社はカーライフというカテゴリーで周辺事業に領域を拡大することで目標を達成したい考えだ。
具体的には、アウトドア事業(FIELD SEVEN、オートキャンプ場等)の育成に取り組む。
ただ、オートキャンプ場については、有力候補地だった場所に国有林があったため着工を断念し、改めて候補地を探索する予定となっている。


精肉事業は年率13.8%の売上成長を見込んでいる。
業務スーパー店舗内への出店や業務用卸販売事業を強化することで2ケタ成長を目指す。
2023年3月期は市場環境の悪化により苦戦を強いられているが、市場環境は改善に向かっており2024年3月期以降は成長が期待される。
ミニスーパー事業は売上高で2021年3月期比1.6倍増となる210億円、経常利益で4億円とチャレンジングな目標を立てている。
首都圏でのスクラップ&ビルドを進める一方で、グループ会社の魅力的な商品を取り揃えることで集客力をアップし、店舗当たり収益力の向上を図りながら、店舗数を再拡大する方針だ。
2024年3月期以降、これら施策の効果がどのように出てくるかに注目したい。


バイクワールド事業、こだわり食品・プライベートブランド事業、アグリ事業(めぐみの郷)、海外事業はそれぞれ売上高100億円、経常利益で2~3億円の規模に育成する(アグリ事業については流通額ベース)。
また、カーブス事業や店舗内装事業(主に業務スーパー店舗の施工)については、売上高で各20億円を目指している。


そのほか、既存事業とシナジーが見込める新規事業の開発やM&Aによる取得も積極的に推進する方針だ。
特に、M&A戦略については今まで同社が持続的に収益拡大を続けてきた一因となっており、「リコス」の立て直しも含めて今回の中期経営計画達成のカギを握るだけに、今後の動向が注目される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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