米国株式市場=大幅下落、ダウ497ドル安 中国・アップル巡る懸念で

Reuters

発行済 2022年11月29日 06:38

更新済 2022年11月29日 07:36

[28日 ロイター] - 米国株式市場は大幅に下落して取引を終えた。中国の主要都市で厳しい新型コロナウイルス対策に対する抗議活動が行われ、景気を巡る警戒感が高まった。また、iPhone生産への影響を巡る懸念からアップルが売られた。

アップルは中国にある主要iPhone生産工場での労働者の抗議を受け、既に逼迫しているハイエンドモデルの生産に一段の打撃が及ぶとの見方から2.6%下落。S&P総合500種を大きく圧迫した。

中国では先週末、厳しい「ゼロコロナ」政策に対する異例の抗議活動が各地で行われ、同国経済を巡る懸念が一段と強まった。

USバンク・ウェルス・マネジメントのトム・ハインリン氏は、中国がコロナを封じ込める政策を続けるか、米国などのようにコロナとの共存を選ぶかが注視されると指摘。コロナ自体と中国の政策が来年の株価を左右する重要な要因の一つになるとの見方を示した。

S&P500の主要11セクターは全て下落し、不動産やエネルギーの下げが目立った。

中国ネット通販大手・拼多多(ピンドゥオドゥオ)の米上場株は12.6%急伸。新型コロナのロックダウン(都市封鎖)で消費者がオンラインでの買い物を強いられる中、第3・四半期の売上高が予想を上回った。

アマゾン・ドット・コムは0.6%高。アドビ・アナリティクスによると、米感謝祭後に展開されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」に当たる28日、米国のオンライン支出額は前年から最大8.5%増加し、過去最高の112─116億ドルに達する見通し。

マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、テスラなど他の大型成長株は、強弱まちまちだった。

バイオジェンは4.3%下落。アルツハイマー病治療薬の臨床試験で被験者の1人が死亡したと伝わった。

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン(分散型台帳)関連のコインベース・グローバル、ライオット・ブロックチェーン、マラソン・デジタル・ホールディングスはいずれも約4%安。仮想通貨レンディングのブロックファイが28日、関連会社8社とともに米連邦破産法11条の適用を申請したことを嫌気した。

今週は29日発表の11月消費者信頼感指数、30日発表の第3・四半期国内総生産(GDP)改定値、12月2日発表の11月雇用統計に注目が集まる。

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S&P500では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を12.2対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は93億株と比較的薄商い。直近20営業日の平均は113億株だった。

*内容をさらに追加して再送します。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33849.46 -497.57 -1.45 34275.91 34303.88 33799.35

前営業日終値 34347.03

ナスダック総合 11049.50 -176.86 -1.58 11147.57 11217.75 11020.69

前営業日終値 11226.36

S&P総合500種 3963.94 -62.18 -1.54 4005.36 4012.27 3955.77

前営業日終値 4026.12

ダウ輸送株20種 14145.40 -297.18 -2.06

ダウ公共株15種 961.88 -10.18 -1.05

フィラデルフィア半導体 2678.78 -72.49 -2.63

VIX指数 22.21 +1.71 +8.34

S&P一般消費財 1100.38 -6.66 -0.60

S&P素材 505.94 -11.38 -2.20

S&P工業 839.42 -15.44 -1.81

S&P主要消費財 792.68 -2.46 -0.31

S&P金融 588.73 -10.64 -1.78

S&P不動産 236.18 -6.80 -2.80

S&Pエネルギー 681.81 -19.19 -2.74

S&Pヘルスケア 1583.67 -11.96 -0.75

S&P通信サービス 165.39 -2.60 -1.55

S&P情報技術 2280.52 -49.67 -2.13

S&P公益事業 354.83 -3.84 -1.07