ネットイヤー Research Memo(3):理想のCXを実現するデザイン設計力に強みを持つ

Fisco

発行済 2022年11月30日 15:53

■事業概要

2. 事業内容と強み
ネットイヤーグループ (TYO:3622)が事業領域とするデジタルマーケティングとは、企業活動においてオウンドメディアを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法を指す。
企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド価値の向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導き出すサービスとなる。


デジタルマーケティング領域は、顧客との接触手段によって以下の4つのメディアに分類される。
1つ目は、ネット広告を掲載する「ペイドメディア(Paid Media)」、2つ目はインフルエンサーマーケティング等を行う「アーンドメディア(Earned Media)」、3つ目がSNSなどで消費者が口コミ投稿を行う「ソーシャルメディア(Social Media)」、4つ目が自社Webサイトやアプリ上で各種コミュニケーション施策を行う「オウンドメディア(Owned Media)」である。
このうち、同社は「オウンドメディア」を使ったデジタルマーケティング施策の立案・開発・運用などを行っている。


同社の強みは創業から23年間、CXデザインという考え方を基にプロジェクトに取り組んできたことで、理想のCXを実現するための引き出しを多く持っていることにある(=高いコンサルティング力)。
CXとは直訳すると顧客体験のことだが、「顧客が店頭、広告、Webサイト、アプリなど様々な接点を通して、企業が提供するサービスや商品に興味・関心を持ち、購入し、利用し続ける一連の体験」を指し、CXを高めることで商品の購入につなげる、あるいはその企業やブランドのファンになってもらうことが最終的な目標となる。
こうしたCXのデザインから構築、運用・改善等の一連のプロセスを循環させていくことで、顧客企業との継続的な関係性を構築している。


CXを効果的に高めていく方法は、クライアントの事業内容によって異なるため、案件ごとに要件定義を設定するカスタムプロジェクトとなる。
一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いもので1年程度となる。
システム開発部分に関しては大半を外注で賄っている。
受注単価は案件によって様々だが、最近では「データ分析」を取り入れたマーケティング手法の活用、あるいは顧客企業の別の部門(営業部門や情報システム部門等)とのシステム連携などが求められるなど、プロジェクトが複雑化かつ大型化する傾向にある。
また、デジタル情報があふれるなかで、企業のメッセージが消費者に届きにくくなっていることから、理想のCXを実現するためのデザインの重要性が従前よりも増しており、同社の強みが発揮できる環境になっていると言える。
一方、同社の課題であったシステム開発力については、NTTデータと協業することによって解消されつつあり、成長に向けての基盤が整ったと弊社では考えている。


カスタムプロジェクトの導入支援以外では、自社及び他社開発プロダクトの販売にも注力している。
他社製品としては、Salesforce.com (NYSE:CRM)のMA(Marketing Automation)ツール、Google (NASDAQ:GOOG)、Adobe (NASDAQ:ADBE)のアクセス解析ツールなどがある。
また、2022年3月期よりShopify Inc. (NYSE:SHOP)が提供する「Shopify」の導入・活用支援サービス並びにストアアプリの開発・販売も開始している。


なお、クライアントの業種は小売業やサービス業、製造業、金融業など幅広く、顧客規模は日本を代表する大企業が中心となっている。
なかでも、オウンドメディアによるデジタルマーケティングの重要性が高いBtoC領域を展開するクライアントが多く、取引実績は累積800社以上、案件数で2.5万件以上に上る。
2022年3月期の売上高のうち、顧客上位10社の売上高構成比は66.1%を占め、なかでもNTTデータ向けは共同開発プロジェクトの増加とともに年々上昇し、3割を超える水準となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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