Jストリーム Research Memo(3):基盤は動画配信プラットフォームと大量のアクセスにも対応可能なCDN

Fisco

発行済 2022年12月05日 14:33

更新済 2022年12月05日 14:46

■Jストリーム (TYO:4308)の事業内容

2. サービス内容
企業が、音楽・映画・イベント動画、企業説明会・株主総会、教育動画、販促・広告など、コンテンツの種類や配信先の端末を問わず自社でインターネット配信をしようとすると、安定した運用のために大量のアクセスに耐えることができる回線やサーバーを確保しなければならず、設備や人材に多額の投資が必要となる。
しかし「J-Stream Equipmedia」「J-Stream CDNext」「ライブ配信サービス」といった同社の商品・サービスを利用すれば、多額の投資や運用コストをかけることなく、動画を配信することが可能となる。
イベントなどにより一度に数万人以上のアクセスが起こる場合でも、コンテンツを素早く安定して視聴者に届けることができる。
さらに、セキュリティ機能や配信対象を限定する認証機能、デジタル著作権保護、課金決済システム、海外からのアクセスを制限できる国内外判別配信など、コンテンツを配信する際に必要となる周辺サービスも提供している。


(1) 「J-Stream Equipmedia」
コンテンツ管理やセキュリティといった配信設定、あらゆる端末で視聴可能なマルチデバイス対応、アナリティクス機能など、動画配信に必要な機能とワークフローを同社はトータルで提供している。
その中心となるのが自社開発したソフトウェアで、インターネットで動画を配信するために必要なあらゆる機能を装備した動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」である。
利用者のスキルを問わず使いやすい管理画面、他社のシステムと連携できる柔軟性、機能に合わせて月5万円からというリーズナブルな価格設定、高速で安定したCDNの利用など、一般企業でも手軽に動画を活用できることが特徴になっている。
さらに、顧客に適したサービスの導入を支援するアカウント営業と、導入後に運用面で対応する専任スタッフが、常に一体となってサポートする安心の体制も構築している。


ちなみに、同社の動画配信プラットフォームにはスタンダードな「J-Stream Equipmedia」のほか、インターネット番組の編成・配信に必要な機能をパッケージした「EQ Media Suite」、動画マニュアル用編集アプリと動画配信サービスがセットになった特別プラン「EQ Creativeエディション」、iPhone/iPadで撮影した映像をそのままライブ配信できるiOSアプリ「EQライブキャスト」、管理している動画コンテンツを簡単にインタラクティブ動画にできる連携オプション「Tou#cheee(タッチィー)」、Salesforce(Salesforce.com (NYSE:CRM))向け動画アプリ「Equipmedia動画共有ライブラリfor Salesforce」などのラインナップがある。
さらに高度な拡張性やカスタマイズ性を備える、メディア・エンタープライズ向けプレミアム版「J-Stream MediaLize」も用意している。


(2) 「J-Stream CDNext」
動画や音声といったリッチコンテンツや、ゲームなど各種アプリケーションのアップデートファイルは、ファイルサイズが大きく、インターネット上で配信を行うとネットワークに大きな負荷がかかる。
特にデータが1ヶ所から配信された場合、トラフィック(通信量)が集中することでレスポンスの悪化や通信速度の低下、時には配信停止といった事態を招くこともある。
サーバーや回線を増強することで対応は可能だが、導入や運用のコストを考えると一般企業には現実的な選択肢とは言えない。
こうした課題を解決したのが、配信制御可能な管理コンソールと顧客サポートをセットにした、同社が自社で構築したCDNサービス「J-Stream CDNext」である。
トラフィックの増加による負荷を分散し、最短距離で高速かつ安定的にコンテンツを配信することができる。


最大の特徴は、国内IDC(Internet Data Center)に分散配置された自社の配信用サーバーネットワークにある。
そのほか、国産CDNならではの安定・充実のサポート体制、見やすい管理画面と詳細な設定による柔軟な運営、最新の高速プログラムや高性能サーバーへの対応、サイトを高速化する動的ファイル対応、幅広いSSL※1高速処理機能なども特徴である。
このためアクセスが集中して重くなりがちな動画やゲーム、インターネット通販、キャンペーンなどのコンテンツを、一気に数万人のユーザーへ高速かつ安定した配信が可能である。
また、検索順位におけるSSLサイト優遇やATS※2対応などマーケティング対策に加え、ハイエンド向けセキュリティサービス「Imperva App Protect Essentials」やクラウド型総合セキュリティサービス「BLUE Sphere」、アクセス制限・不正コピー対策などセキュリティ対策も万全である。
このほか大規模配信やグローバル配信に有効な「Lumen CDN」や、社内ネットワークの負荷を分散する「Kollective SD ECDN」、複数のCDNから視聴者にとって快適なCDNを選択する「マルチCDNサービス」などもある。


※1 SSL(Secure Sockets Layer):データを暗号化して、インターネット上で通信する仕組み。
例えばインターネット上でクレジットカード情報や個人情報での通信に使われる。

※2 ATS(App Transport Security):iOS9.0以降で導入された、サーバーとアプリケーション間でセキュアな通信を保証する機能。



(3) 「ライブ配信サービス」
配信技術の進歩やコロナ禍をきっかけに、株主総会・IRイベント、専門セミナー、スポーツ・コンサート、プロモーション、社内情報共有・研修など、インターネットを利用したライブ配信に対するニーズが急速に拡大した。
また、モバイル端末の普及により視聴者が情報にアクセスする場所を選ばなくなったこともライブ配信の利用を後押ししている。
同社は、撮影から運用、配信までプロフェッショナルな「ライブ配信サービス」を提供している。
インターネット回線をはじめカメラやエンコーダーといった機材、ライブ専門のディレクターやエンジニア、撮影クルー、ネットワーク技術者といったプロの人材、そして安定した配信ネットワークを、ニーズに合わせ最適な構成にカスタマイズし、企画演出やライブイベントの進行などミスのないオペレーションとともにトータルで提供している。
また、万が一のトラブルに備えて、インターネット回線や配信サーバーなど核となる設備に冗長化対策を講じている。


さらに、街頭ビジョンやデジタルサイネージからスマートフォンまで、2D、VR(仮想現実)、360度動画など様々な映像形式に対応する機能、イベント中のアンケートや掲示板の利用など視聴者とのコミュニケーション機能、視聴者の反応をリアルタイムに可視化する機能、追いかけ再生する機能など、顧客や視聴者にとって便利な機能を数多く備えている。
もちろん“撮影のみ”や“配信のみ”といった必要な機能だけを単独で提供することも可能である。
“失敗できない生放送”であるライブ配信を確実に成功させるには、現場での対応力が重要な要素となるため、同社のノウハウや技術力、現場対応力は他社にない大きな魅力と言える。
これらが年間のライブ配信2,600件以上という豊富な実績につながっている。
なお、ライブ中継の実施を望むものの絶対に失敗は許されないという顧客には、録画を利用した「疑似ライブ配信サービス」が好評である。
テレワーク化の流れに沿った社内向け・少人数向けWeb会議サービス「双方向ライブ」も、代理販売を通じて提供している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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