ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』5月18日放送において、ディーブイエックス (TOKYO:3079)を取り上げている。 主な内容は以下の通り。
■事業概要 循環器疾病（しっぺい）分野を中心とした医療機器の販売会社。
不整脈事業（販売代理店業） と虚血事業（主に輸入総代理業） が2 本柱。
不整脈事業の市場シェアは関東圏で40%、全国でも19% とトップで、顧客に対する技術営業のサポート力を武器にシェアを拡大中。
虚血事業では主に国内に競合品がない高度医療機器を海外で発掘し、独占販売権をもって輸入総代理店となり医療施設や代理店向けに販売を行っている。
同社の取り扱う製品は専門的な技術知識を必要とされるだけでなく、サポート力も要求されるため、実際に製品を扱う医師と営業担当者の信頼関係が取引上で最も重要視されている。
不整脈関連製品を専門に扱う商社は少なく、経験豊富なベテラン営業担当者を多く抱え、症例件数の多い医療施設での納入実績が高いことが同社の強みとなっているが、厚生行政が地域基幹病院に高度医療を集中させ医療の効率化を図ろうとしている方向性が、長期的に同社の好業績にも影響しているものと考えられる。
■15年3月期決算 売上高は前期比8.4％増の286.47億円、営業利益は同10.2％増の14.29億円、経常利益は同11.3％増の14.58億円、当期純利益は同16.7％増の9.19億円だった。
セグメントの業績では、売上の8割強を占める不整脈事業の売上高が前期比7.7％増の232.68億円、セグメント利益が同6.5％増の33.77億円。
既存顧客に対するサービスの充実に努めるとともに、新規顧客の開拓にも注力しており、アブレーションカテーテル（心筋焼灼術（しんきんしょうしゃくじゅつ）用カテーテル）類や検査用電極カテーテル等の主力商品の販売数量が増加。
虚血事業の売上高が前期比5.4％増の43.92億円、セグメント利益が同1.0％増の13.91億円。
輸入総代理店として取り扱っているエキシマレーザ血管形成システムの関連商品が、本体の普及に伴って好調に推移。
また、冠動脈（かんじょうどうみゃく）ステント等を取り扱っている販売代理店としては、既存顧客の深耕及び新規顧客の開拓に注力し、こちらも好調に推移した。
その他の売上高が前期比53.2％増の9.86億円、セグメント利益が同48.5％増の1.24億円。
脳外科関連商品の販売が好調に推移するとともに、大型機器の販売があったことで大きく伸びている。
■16年3月期見通し 売上高が前期比10.3％増の315.89億円、営業利益が同7.0％増の15.30億円、経常利益が同5.0％増の15.30億円、当期純利益で同8.0％増の9.93億円を見込んでいる。
医療保険財政の悪化を受けた医療費の抑制政策が続いていることから、医療施設においても経営効率化やコスト低減施策が進められており、納入業者に対する販売価格の引き下げ圧力が高まっている。
一方で、高齢化の進展により循環器領域の患者数は拡大傾向にあり、市場規模も逓増（ていぞう）している。
主力の不整脈事業において、高度な専門性を活かして新規顧客開拓を行うことで、継続的に営業エリアの拡大を目指す。
また、メーカーとの関係強化を通じて、仕入コストの低減にも取り組む。
また虚血事業においては、不整脈事業との連携を強化しつつ、自動造影（ぞうえい）剤注入装置「ACIST」の買い替え需要を着実に獲得するとともに、エキシマレーザ血管形成システムのさらなる普及を図ることで、販売拡大を目指す計画である。
■株価動向 3月高値1220円をピークに調整が続いており、下降する25日線が上値抵抗として機能していたが、決算を材料視した上昇により、この25日線を捉えてきている。
一目均衡表では雲下限を突破し、雲の中での推移。
雲下限は1118円処で横ばい推移し、約2週間後には1145円辺りで雲がねじを起こしてくるため、トレンドが出やすいタイミングとなる。
上場以来、連続増収増益、実質増配を続けているほか、20％を超えているROEなども改めて評価したいところである。
ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14：30～14：45放送