日産、取締役らが来週協議 知財巡りルノーが新たな提案=関係筋

Reuters

発行済 2023年01月14日 10:17

白木真紀 Gilles Guillaume David Dolan

[東京/パリ 14日 ロイター] - 日産自動車が来週、仏ルノーとの提携関係見直し協議を巡り、独立社外取締役を中心に委員会を開くことが分かった。協議の大きな障害となっている知的財産問題の解決に向け、ルノーが大幅に見直してきた新たな提案を検討する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者の1人は、実務レベルだった交渉が取締役レベルという、より高い段階へ移りつつある兆候だと指摘。委員会の構成メンバーは判明していないが、別の関係者は「協議は少しずつ進捗している」と述べ、日産側がルノーの新たな提案を議論し、今後の交渉をどう進めるか判断するとしている。

電気自動車(EV)部門と内燃機関部門を分離する事業構造改革を進めるルノーは、アライアンス(連合)を組む日産と三菱自動車に新たなEV会社への出資と参画を求めている。ルノーと日産の両社首脳が昨年10月に東京で会談して以来交渉を重ね、当初は11月中旬にも合意する見通しだったが、日産の技術や知的財産をどう保護するかを巡り協議は難航し、越年した。

前出と別の関係者によると、ルノーは今回、「大幅に条件を見直してきた」新たな案を提示。詳細は不明だが、特許技術の流出に対する日産の懸念を払拭する内容であれば、提携関係見直しを巡って合意に近づくことになる。

ルノー、日産ともロイターの取材にコメントを控えた。

日産とルノーの提携関係は20年以上にわたり、共有している特許が多くあるため、知的財産が複雑化している。特に今後の競争力を左右するEV関連特許などの扱いで両社の主張は折り合いがつかず、交渉が長引いている。

ルノーは内燃機関の部門については中国乗用車大手の吉利汽車と合弁会社を設立することで大筋合意している。日産は出資しない方針だが、関係者によると、同合弁会社への技術流出も警戒しており、ルノーと共有する知財の利用を制限したい考え。