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アートネイチャ Research Memo(8):再上方修正後もさらなる上ブレの可能性

発行済 2023-02-10 15:28
更新済 2023-02-10 15:31
© Reuters.
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*15:28JST アートネイチャ Research Memo(8):再上方修正後もさらなる上ブレの可能性 ■業績動向

2. 2023年3月期業績見通し
アートネイチャー (TYO:7823)は2023年3月期の業績見通しについて、業績好調につき第2四半期決算発表時点で、売上高42,814百万円(前期比5.9%増)、営業利益3,126百万円(同3.5%増)、経常利益3,106百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,698百万円(同41.0%増)と見込んだ。
期初の計画に対して売上高で822百万円、営業利益で1,021百万円、経常利益で950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で561百万円という大幅な上方修正となったが、さらに広告宣伝費など販管費の削減が進んだことで、2023年1月31日に業績予想を再上方修正した。
この結果、新しい2023年3月期の業績見通しは、売上高42,946百万円(前期比6.2%増)、営業利益3,533百万円(同17.0%増)、経常利益3,474(14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,817百万円(同50.9%増)となり、期初の計画に対して売上高で955百万円、営業利益で1,428百万円、経常利益で1,319百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で680百万円の上方修正となった。
なお、2022年3月期に特別損失に計上した減損損失などが縮小するため、親会社株主に帰属する当期純利益の伸びが大きくなっている。
一方で、店舗等の減損損失を見込んでおり、計上が確定し開示基準に該当する際は、速やかに開示する方針である。


同業他社との競争やヘアケア業界全体からの新規参入などにより事業環境は引き続き厳しいが、コロナ禍の行動制限緩和による外出機会の増加という追い風のなか、同社は引き続き中期経営計画「アートネイチャーChallengeプラン」に沿った基本戦略を実行する方針である。
なお、同社は下期の事業環境に関して、行動制限の緩和と通常の生産・営業体制の継続を前提に、下期修正計画はおおむね期初のままとしている。
そうした事業環境のなかで、売上高はメンズ、レディースともに安定成長、その他は通販事業中心に2ケタ成長を目指しており、またコストについては、原材料価格などの高騰や為替の影響を考慮する一方、採用強化や教育といった経営資源への集中的な投資を進める方針である。


通期の業績見通しから上期の実績を差し引いた同社の下期の業績見通しは、売上高については、オーダーメイドウィッグの成長に加えて増毛商品も巻き返す計画だが、「フィーリン」が発売2巡目に入ること、コロナ禍の長期化を警戒して「ジュリア・オージェ」の予想が保守的になっていること、第2四半期に増加したメンズの新規顧客については2年後のリピートを想定していることから、前年同期比2%増と低い予想になっている。
売上総利益率については、商品原価は原材料高や円安の影響、スタイリスト人件費は人員補充などの影響により、同2.9ポイント低下する見込みとなっている。
ただし、円ドル為替の前提を117円→140円とするなどやや保守的な前提になっている。
なお、原価高に対して、10月からヘアカット(アフターサービス)の料金を一部値上げすることになっているが、他の商品・サービスについては値上げの予定はない。
販管費については、広告費は期初計画どおり既製品や通販などに、人件費は販売スタッフの増員や採用活動の強化などに使用するほか、重点Challenge施策を中心に来期以降にも目を向けて積極的に使う予定だが、足元で抑制が進んでいる模様で、2023年1月31日にリリースされた業績予想の上方修正につながった。


足元業況面では、オーダーメイドウィッグ「フィーリン」の伸びが2巡目に入った2022年11月に想定どおり減少する一方、メンズは引き続き安定成長、「ジュリア・オージェ」は新商品やキャラクター統一が奏功して10月、11月ともに20%前後の高い伸びとなった。
また、下期以降に向けての新商品は、レディースで、9月にストッパーの形状を進化させ装着感を向上したオーダーメイドウィッグ「フィーリン3」、及び「ジュリア・オージェ」のピンでとめないウィッグ「レフィア ピュアボーテ」を投入、11月にはメンズで、粘着剤を改良してより快適なつけ心地で頭皮と一体化したウィッグ「ヘア・フォーライフ セルジオ」を発売した。
競争は激化しているが、ウィッグや増毛のニーズは底堅く、加えて、「ジュリア・オージェ」の売上高見通しにやや保守的な面があることから、さらなる上方修正を期待したい。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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