*12:14JST 日経平均は大幅反落、14日の米CPI発表控えて売り優勢の展開
日経平均は大幅反落。
316.17円安の27354.81円(出来高概算6億1957万株)で前場の取引を終えている。
前週末10日の米株式市場のダウ平均は169.39ドル高(+0.50%)と反発。
長期金利の上昇を警戒した売りが先行して始まった。
一方、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上に改善すると、景気見通し改善に伴う買いが再燃し、ダウ平均は上昇に転じた。
ただ、金利高を警戒した売りから、ハイテク株は終日軟調に推移してナスダックは続落、まちまちな展開となった米株市場を横目に、日経平均は前週末比120.63円安の27550.35円と反落でスタート。
朝方に下げ幅を広げた後はマイナス圏での軟調な展開が続いている。
個別では、東エレク (TYO:8035)やレーザーテック (TYO:6920)、アドバンテ (TYO:6857)などの半導体関連株の一角が軟調に推移。
キーエンス (TYO:6861)や信越化 (TYO:4063)、ファーストリテ (TYO:9983)、オリンパス (TYO:7733)、トヨタ自 (TYO:7203)などの大型株も下落した。
また、ソニーグループ (TYO:6758)、メルカリ (TYO:4385)、などのグロース株の一角、JAL (TYO:9201)やANA (TYO:9202)などの空運株なども軟調。
ほか、業績・配当予想の下方修正をネガティブ視されたケイアイスター不動産 (TYO:3465)が大幅に下落した。
そのほか、フロンティアM (TYO:7038)、エル・ティー・エス (TYO:6560)、IBJ (TYO:6071)などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
一方、郵船 (TYO:9101)や川崎汽船 (TYO:9107)、商船三井 (TYO:9104)などの海運株、などが大幅に上昇。
三菱UFJ (TYO:8306)や三井住友 (TYO:8316)、みずほ (TYO:8411)などの金融株も堅調に推移した。
日本製鉄 (TYO:5401)、ホンダ (TYO:7267)、INPEX (TYO:1605)、神戸製鋼所 (TYO:5406)なども上昇した。
そのほか、今期3度目の業績・配当予想を上方修正した三井松島HD (TYO:1518)が急騰、第3四半期好進捗や復配の発表を評価されたT&Gニーズ (TYO:4331)も大幅高、サクサ (TYO:6675)、電算システムHD (TYO:4072)、などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
セクターでは精密機器、繊維製品、化学が下落率上位となった一方、鉱業、石油・石炭、銀行が上昇率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は63%となっている。
本日の日経平均は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや売りが先行。
日銀の金融政策修正への観測もくすぶるなか、米国市場はまちまちの状況である他、決算発表が一巡するまではポジションを大きく傾けてくる流れにはなりづらい。
短期筋の売買に振らされやすい需給状況になりそうとの指摘も一部市場関係者から聞かれている。
新興市場も軟調な展開が続いている。
マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタートした後、日経平均と同様に朝方から下げ幅を広げてマイナス圏で軟調に推移。
米ハイテク株安を嫌気するなか、米長期金利が3.74%まで上昇しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株の重しとなっている。
前引け時点での東証マザーズ指数は2.16%
安、東証グロース市場Core指数は2.40%安。
さて、14日に発表される米消費者物価指数(CPI)の結果発表に注目が集まっている。
1月の総合CPIは、前年同月比で伸びがさらに鈍化する見通しだが前月比ベースでは3カ月ぶりに加速する見込み。
具体的に、前月比では+0.5%(12月:+0.1%)、食品・エネルギーを除くコアCPIでは同+0.4%(12月:+0.4%)と加速が予想されている。
市場関係者は前月比での総合CPI加速を予想しているが、実際の伸びが予想よりも大きくなった場合は雇用統計に次ぐサプライズとなり、株式市場へのネガティブ影響は避けられない。
ブルームバーグでは、ロックフェラー・グローバル・ファミリー・オフィスのジミー・チャン最高投資責任者(CIO)が「市場の期待ほど急速にインフレが低下することはないという短期的なリスクがある」と話したと報じられている。
仮に、1月CPIが予想並みにとどまったとしても、株式市場全体が上昇する可能性も想定しにくい。
週末の「国内株式市場見通し」に詳細が記載されているが、1月の米中古車平均価格が上昇に転じており、米国のインフレ率の前倒し指標とされる銅価格も上昇傾向にある。
これらの影響が今回ではなく、3月14日に発表される2月CPIで反映され、想定以上のCPI加速が確認される可能性もあるため、2月以降の警戒感がくすぶり株価の上値を抑制しそうだ。
パウエル議長は先週7日に「力強い労働市場やインフレ加速といった情報が確認された場合は、市場に織り込まれている以上に金利を引き上げ、さらなる措置を講じる必要が生じる可能性は十分にある」と述べていた。
FRB高官もタカ派姿勢を示しており、インフレを目標に戻すために長期的な闘いに備えているという。
引き続き、今回の1月CPI以降も、雇用統計及び各種インフレ指標には注目し続けなければならない。
月曜日の当欄を担当する筆者は昨年から、今年に大きく下落するシナリオを念頭に相場を見守ってきた。
1月後半から再度市場の想定していないインフレ指標が散見し、利上げ長期化が意識され始め、地政学リスクや米中問題など様々なリスクが影響してくると、下落シナリオも想定しておきたいところ。
筆者は2020年のコロナショック前の水準であるナスダック100指数で9600pt付近を底値のターゲットとして相場を見守っている。
さて、後場の日経平均は、軟調な展開が続くか。
14日以降のインフレ指標の発表が警戒されるなか、個別材料株中心の物色が継続しそうだ。
(山本泰三)
316.17円安の27354.81円(出来高概算6億1957万株)で前場の取引を終えている。
前週末10日の米株式市場のダウ平均は169.39ドル高(+0.50%)と反発。
長期金利の上昇を警戒した売りが先行して始まった。
一方、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上に改善すると、景気見通し改善に伴う買いが再燃し、ダウ平均は上昇に転じた。
ただ、金利高を警戒した売りから、ハイテク株は終日軟調に推移してナスダックは続落、まちまちな展開となった米株市場を横目に、日経平均は前週末比120.63円安の27550.35円と反落でスタート。
朝方に下げ幅を広げた後はマイナス圏での軟調な展開が続いている。
個別では、東エレク (TYO:8035)やレーザーテック (TYO:6920)、アドバンテ (TYO:6857)などの半導体関連株の一角が軟調に推移。
キーエンス (TYO:6861)や信越化 (TYO:4063)、ファーストリテ (TYO:9983)、オリンパス (TYO:7733)、トヨタ自 (TYO:7203)などの大型株も下落した。
また、ソニーグループ (TYO:6758)、メルカリ (TYO:4385)、などのグロース株の一角、JAL (TYO:9201)やANA (TYO:9202)などの空運株なども軟調。
ほか、業績・配当予想の下方修正をネガティブ視されたケイアイスター不動産 (TYO:3465)が大幅に下落した。
そのほか、フロンティアM (TYO:7038)、エル・ティー・エス (TYO:6560)、IBJ (TYO:6071)などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。
一方、郵船 (TYO:9101)や川崎汽船 (TYO:9107)、商船三井 (TYO:9104)などの海運株、などが大幅に上昇。
三菱UFJ (TYO:8306)や三井住友 (TYO:8316)、みずほ (TYO:8411)などの金融株も堅調に推移した。
日本製鉄 (TYO:5401)、ホンダ (TYO:7267)、INPEX (TYO:1605)、神戸製鋼所 (TYO:5406)なども上昇した。
そのほか、今期3度目の業績・配当予想を上方修正した三井松島HD (TYO:1518)が急騰、第3四半期好進捗や復配の発表を評価されたT&Gニーズ (TYO:4331)も大幅高、サクサ (TYO:6675)、電算システムHD (TYO:4072)、などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。
セクターでは精密機器、繊維製品、化学が下落率上位となった一方、鉱業、石油・石炭、銀行が上昇率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は63%となっている。
本日の日経平均は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや売りが先行。
日銀の金融政策修正への観測もくすぶるなか、米国市場はまちまちの状況である他、決算発表が一巡するまではポジションを大きく傾けてくる流れにはなりづらい。
短期筋の売買に振らされやすい需給状況になりそうとの指摘も一部市場関係者から聞かれている。
新興市場も軟調な展開が続いている。
マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタートした後、日経平均と同様に朝方から下げ幅を広げてマイナス圏で軟調に推移。
米ハイテク株安を嫌気するなか、米長期金利が3.74%まで上昇しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株の重しとなっている。
前引け時点での東証マザーズ指数は2.16%
安、東証グロース市場Core指数は2.40%安。
さて、14日に発表される米消費者物価指数(CPI)の結果発表に注目が集まっている。
1月の総合CPIは、前年同月比で伸びがさらに鈍化する見通しだが前月比ベースでは3カ月ぶりに加速する見込み。
具体的に、前月比では+0.5%(12月:+0.1%)、食品・エネルギーを除くコアCPIでは同+0.4%(12月:+0.4%)と加速が予想されている。
市場関係者は前月比での総合CPI加速を予想しているが、実際の伸びが予想よりも大きくなった場合は雇用統計に次ぐサプライズとなり、株式市場へのネガティブ影響は避けられない。
ブルームバーグでは、ロックフェラー・グローバル・ファミリー・オフィスのジミー・チャン最高投資責任者(CIO)が「市場の期待ほど急速にインフレが低下することはないという短期的なリスクがある」と話したと報じられている。
仮に、1月CPIが予想並みにとどまったとしても、株式市場全体が上昇する可能性も想定しにくい。
週末の「国内株式市場見通し」に詳細が記載されているが、1月の米中古車平均価格が上昇に転じており、米国のインフレ率の前倒し指標とされる銅価格も上昇傾向にある。
これらの影響が今回ではなく、3月14日に発表される2月CPIで反映され、想定以上のCPI加速が確認される可能性もあるため、2月以降の警戒感がくすぶり株価の上値を抑制しそうだ。
パウエル議長は先週7日に「力強い労働市場やインフレ加速といった情報が確認された場合は、市場に織り込まれている以上に金利を引き上げ、さらなる措置を講じる必要が生じる可能性は十分にある」と述べていた。
FRB高官もタカ派姿勢を示しており、インフレを目標に戻すために長期的な闘いに備えているという。
引き続き、今回の1月CPI以降も、雇用統計及び各種インフレ指標には注目し続けなければならない。
月曜日の当欄を担当する筆者は昨年から、今年に大きく下落するシナリオを念頭に相場を見守ってきた。
1月後半から再度市場の想定していないインフレ指標が散見し、利上げ長期化が意識され始め、地政学リスクや米中問題など様々なリスクが影響してくると、下落シナリオも想定しておきたいところ。
筆者は2020年のコロナショック前の水準であるナスダック100指数で9600pt付近を底値のターゲットとして相場を見守っている。
さて、後場の日経平均は、軟調な展開が続くか。
14日以降のインフレ指標の発表が警戒されるなか、個別材料株中心の物色が継続しそうだ。
(山本泰三)