■会社概要
事業内容
ケンコーマヨネーズ (TOKYO:2915)は主に業務用のサラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類やタマゴ加工品などを製造販売する食品メーカーで、子会社で日配品の総菜類の製造販売、及び店舗事業などを行っている。
2015年3月期の商材別売上高構成比(連結)で見ると、サラダ類が全体の45.2%と最も高く、マヨネーズ・ドレッシング類が27.8%、タマゴ加工品が25.2%と続いている。
ここ数年の傾向を見ると、マヨネーズ・ドレッシング類の構成比が低下し、タマゴ加工品が上昇傾向となっている。
これは、コンビニエンスストア(以下、CVS)向けを中心とした中食市場の拡大により、弁当やパン、サンドウィッチ向けなどの需要が拡大していることが背景となっている。
また、分野別(顧客業界別)売上構成比(連結)で見ると、外食向けが26.7%、量販店向けが23.2%、CVS向けが18.9%と3分野で全体の7割近くを占めている。
ここ数年の傾向を見ると、構成比は外食向けがやや低下傾向にあり、量販店やCVS向けが上昇傾向となっている。
消費者の生活スタイルの変化、女性の社会進出などを背景に、中食市場が拡大してきたことが要因にあると考えられる。
業界における市場シェアを見ると、マヨネーズ・ドレッシング類ではここ数年、15%前後で安定して推移し、業界2位の位置をキープしている。
業務用にほぼ特化しているため、一般消費者向けには馴染みが薄いものの、トップメーカーのキユーピーと業務用では2社で競い合っており、多くの大手外食企業やホテルチェーンに納入実績がある。
一方、ロングライフサラダにおいては、業界のパイオニアでもある同社が37%を超えるシェアを持ち、業界トップの地位を確立している。
同社の特徴
同社の特徴は、安定して高い品質の商品を供給する生産体制を全国に構築していることに加えて、顧客ニーズを満たす商品開発力やきめ細やかな販売対応力など、生産・開発・営業が一体となった総合力を持ち合わせていることにある。
高い品質とは、味覚の良さはもちろんのこと、安全性が重要な要素となってくる。
また、業務用を中心に展開する同社にとっては、いかに顧客に付加価値を提案できるかが、取引を拡大していくうえで重要なカギを握ることになる。
同社では分野を業態別に細分化し、営業・商品開発・メニュー開発チームが一体となって、顧客ニーズにきめ細かい対応を行いながら付加価値提案に取り組んできた。
年間の開発アイテム数は、実に1,800アイテムを超えており、毎日5アイテムは開発していることになる。
ただ商品を提案するのではなく、それを使ったメニューも合わせて提案することが、同社の大きな特長であり、ユーザーの満足・信頼を得ている要因でもある。
グラフにみられるように、2011年以降は外食・中食市場を上回る成長率を続けており、こうした取り組みの成果が顕在化してきたものと言えよう。
生産体制、グループ子会社
現在、同社の生産体制は本社7工場、連結子会社7社9工場を国内で展開している。
子会社に関しては量販店やCVS向けなどへの日配品となる総菜関連を中心とした製造拠点となるため、地域に密着した生産体制を整えている。
特に、24時間営業のCVS向けに関してはJust in Time対応が必須であり、工場も一部365日体制で数量変動に迅速に対応できるフレキシブルな生産体制を整えている。
また、子会社のサラダカフェ(株)でサラダ専門店を運営している。
2015年3月末の店舗数は16店舗で、主に百貨店や総合スーパー内に出店している。
海外事業に関しては、インドネシアでは2012年に現地の食品メーカーと合弁会社を設立(出資比率49%)、2013年秋よりマヨネーズ・ドレッシング・ソース類の製造を開始している(年産能力約4,000トン)。
同工場ではハラール認証を取得しており、現地で市販用、業務用として販売しているほか、液卵の販売も行っており、現地では特に日系企業からのニーズが高く設備拡充を進めていかなくてはいけないほどである。
2015年2月からはハラール認証を取得したマヨネーズタイプ「omayo」の日本向け輸出も開始し、国内の様々な方面に販路を拡大中である。
海外事業については持分法適用関連会社のため、同社の連結売上高には反映されないが、持分法投資損益として営業外収支に計上されている。
また、連結セグメント上の区分としては、その他事業セグメントに利益のみを計上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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