GMOペパボ Research Memo(1):2023年12月期は金融支援事業がけん引し増益に転じる見通し

Fisco

発行済 2023年03月13日 14:41

*14:41JST GMOペパボ Research Memo(1):2023年12月期は金融支援事業がけん引し増益に転じる見通し ■要約

GMOペパボ (TYO:3633)は、GMOインターネットグループ (TYO:9449)のグループ会社で、インターネット上の表現活動を支えるインフラサービスに加えて、利用者同士をつなげるプラットフォームサービスを展開している。
主なサービスは、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」など。
また、2019年より子会社でフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を開始している。


1. 2022年12月期の業績概要
2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比11.4%減の10,531百万円、営業利益で同17.6%減の732百万円となった。
2022年12月期より収益認識会計基準等の適用(以下、新会計基準)を行っており、この影響により売上高で1,653百万円減少し、営業利益で101百万円増加している。
前期を新会計基準で換算した場合の増減率は、売上高で6.7%増、営業利益で16.5%減となる(以下、前期比伸び率は新会計基準比較で記載)。
売上高は巣ごもり需要の一巡によりEC支援事業やハンドメイド事業が減収となったものの、ストック型ビジネスとなるホスティング事業の拡大が続いたほか、金融支援事業も利用者の広がりにより売上高が前期比2.8倍増と急成長したことにより、実質過去最高を更新した。
一方、利益面ではEC支援事業やハンドメイド事業の落ち込みが減益要因となった。
特に、「SUZURI」はテレビCMを実施(180百万円)したこともあって、95百万円の損失を計上した(前期比295百万円の減益)。


2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績は売上高で前期比5.1%増の11,064百万円、営業利益で同17.1%増の857百万円と3期振りの増益に転じる見通し。
けん引役は金融支援事業で、利用者の拡大を背景に売上高で同87.9%増の1,116百万円、営業利益で251百万円(同277百万円の増益)と高成長を見込んでいる。
また、ホスティング事業は価格改定によりコスト増分を吸収し増収増益に、EC支援事業は「SUZURI」の減収が続くものの利益面ではテレビCM費用が無くなることで増益に転じる見通しである。
ハンドメイド事業については若干の減収減益と保守的な計画である。
また、「SUZURI」や「minne」については非物販系ビジネスの育成にも注力する方針だ。
すでに「SUZURI」でデジタルコンテンツの取り扱いを開始しているほか、「minne」でもデジタルコンテンツの登録を開始した。
2023年内にサイト内広告サービスを開始する予定となっており、今後の収益貢献が期待される。


3. 今後の成長戦略
成長戦略としては、ストック型ビジネスとなるホスティング事業や「カラーミーショップ」で安定成長を図り、「FREENANCE」などフロー型ビジネスを育成することで成長を加速する計画である。
ストック型ビジネスでは、より安定的で高い収益の獲得を目指すため優良顧客となる上位層の獲得や、法人顧客の開拓を推進する。
フロー型ビジネスのうち「FREENANCE」は、利用率の高い業種の顧客獲得により請求書買取額をさらに拡大するほか、月額プランの導入による安定収益の獲得も目指す。
「SUZURI」や「minne」はデジタルコンテンツなど非物販系ビジネスを育成する。
なお、同社は東証プライム市場上場維持基準のうち流通時価総額基準(100億円)をクリアしていないため、2023年2月に東京証券取引所に上場維持基準の適合に向けた計画書を提出しており、そのなかで2026年12月期に営業利益15.7億円の中期経営目標を発表している。
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の反動もあって2021年以降の業績は足踏みが続いたものの、ストック型ビジネスによる安定収益基盤がすでに確立されており、フロー型ビジネスについても金融支援事業が成長ドライバーとして育ってきた。
EC支援事業も成長余地は大きく、今後もインターネット市場の拡大を追い風として収益成長が期待できる企業の1つとして弊社では注目している。


■Key Points
・2022年12月期はEC関連事業が苦戦し減益となるも金融支援事業が急成長
・金融支援事業がけん引役となり2023年12月期業績は2ケタ営業増益に転じる見通し
・ストック型ビジネスの安定成長に加え、フロー型ビジネスを拡大していくことで持続的な収益拡大を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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