クレディ・スイス、財務報告に「重大な弱点」 顧客流入に転じず

Reuters

発行済 2023年03月14日 17:23

更新済 2023年03月15日 11:18

[チューリヒ 14日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスは14日、2022年の年次報告書を公表し、財務報告に関する内部統制に「重大な弱点」があることを確認したと明らかにした。また、顧客の流出を食い止めるに至っていないとした。

同行は報告書で「22年12月31日時点で財務報告に関する内部統制は有効ではなかった。同じ理由から経営陣は21年12月31日時点に関して再評価し、同じ結論に達した」と述べた。

監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)はクレディ・スイスの報告に関する内部統制の有効性について「不適正」とする監査意見を表明したが、報告書については20年から22年の財務状況を「全ての重要な点において適正に示している」とした。

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は「統制に弱点が確認された場合、時宜を得た改善が求められる」とし、この問題に関して同行と連絡を取っていることをロイターに明らかにした。

クレディ・スイスは報告書で、顧客の「流出がかなり低い水準で落ち着いたが、まだ流入に転じていない」と述べた。