クレディ・スイス救済、国内に広がる衝撃 UBS支配に懸念も

Reuters

発行済 2023年03月20日 18:21

[チューリヒ 20日 ロイター] - UBSによるクレディ・スイス買収で新しい時代を迎えるスイス金融業界だが、銀行従業員団体は救済買収に伴う今後の人員削減を懸念していると表明した。

両金融機関は長年にわたり世界金融の柱となってきた。金融に経済を大きく依存するスイスでは、中央銀行によると、2行の総資産は国内総生産(GDP)の140%にも達する。

「スイス銀行従業員協会」はロイターに寄せた声明の中で、UBSに対し、人員削減を「絶対最小限」にとどめるよう要求。「非常に多くの従業員の雇用が危機に瀕している」とし、経営陣と連絡を取り合っていると明らかにした。

国内ではUBSの支配的な立場に懸念を示す声も出ている。チューリヒ大学のトビアス・ストラウマン教授(経済史)は、当局が競争に対処するための特別条件を設けなかったことは「驚くべきこと」だと指摘した。