米国株式市場=反発、金融システム巡る懸念和らぐ FOMCに注目

Reuters

発行済 2023年03月21日 06:47

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は反発。スイス金融大手UBSによるクレディ・スイス買収や主要6中銀による流動性供給策を受け、金融システムを巡る懸念が後退した。投資家の注目は、週内の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かっている。

UBSは19日、経営不安が強まっていた同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(約32億3000万ドル)で買収すると発表。金融不安の拡大を恐れたスイス当局が主導して合意を取りまとめた。

さらに、日米欧などの主要6中銀はドルスワップ協定を通じた流動性供給で協調すると発表した。

S&P銀行株は0.6%、KBW地方銀行株は1.5%それぞれ上昇した。

LPLフィナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、銀行株の一角はこの日も値下がりしたものの、広範な下落は食い止められたもようと指摘した。

S&P主要11セクターは全て値上がり。投資家の不安心理の度合いを示すVIX指数も低下した。

クレディ・スイスの米上場株は53%安、UBSグループは3.3%上昇した。

中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクは47.1%安。格付け会社S&Pグローバルは同社の格付けを「BBプラス」から3段階引き下げて「Bプラス」にしたと発表。さらに格下げする可能性があるとした。

一方、ニューヨーク・コミュニティ・バンコープは31.7%高。傘下銀行が破綻したシグネチャー・バンクから預金や融資などの資産取得で合意した。

前出のクロスビー氏はこうしたニュースが「銀行システに対する信頼感下支えへの一助となる」とし、「パニックや恐怖を阻止するのに役立つ」と述べた。

パックウェスト・バンコープも10.8%高で終了。預金の流出が安定化したと発表したことが材料視された。

注目される21━22日のFOMCでの決定については、CMEのフェドウォッチによると、短期金融市場が織り込む金利据え置きの確率は28.4%、0.25%ポイント利上げの確率は71.6%となっている。

また、アマゾン・ドット・コムは1.3%安。同社は新たに9000人を削減すると発表。クラウドサービス、広告、Twitch部門などの従業員が対象になるという。

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米取引所の合算出来高は124億8000万株。直近20営業日の平均は126億株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.69対1の比率で上回った。ナスダックでも1.05対1で値上がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32244.58 +382.60 +1.20 31872.3 32280. 31872.

3 07 33

前営業日終値 31861.98

ナスダック総合 11675.54 +45.03 +0.39 11614.3 11695. 11550.

9 55 69

前営業日終値 11630.51

S&P総合500種 3951.57 +34.93 +0.89 3917.47 3956.6 3916.8

2 9

前営業日終値 3916.64

ダウ輸送株20種 13764.71 -8.75 -0.06

ダウ公共株15種 931.46 +8.25 +0.89

フィラデルフィア半導体 3114.71 +31.19 +1.01

VIX指数 24.15 -1.36 -5.33

S&P一般消費財 1101.95 +4.29 +0.39

S&P素材 483.52 +9.52 +2.01

S&P工業 826.06 +11.06 +1.36

S&P主要消費財 760.78 +10.15 +1.35

S&P金融 519.15 +6.13 +1.20

S&P不動産 228.79 +2.41 +1.06

S&Pエネルギー 596.98 +12.34 +2.11

S&Pヘルスケア 1481.55 +18.74 +1.28

S&P通信サービス 183.44 +0.88 +0.48

S&P情報技術 2506.74 +5.78 +0.23

S&P公益事業 340.62 +2.75 +0.81