米国株式市場=反発、預金保護巡る財務長官の発言を好感

Reuters

発行済 2023年03月24日 05:23

更新済 2023年03月24日 06:45

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場は激しい値動きとなった後、反発して終了した。イエレン財務長官が預金保護に向けた措置を講じると発言したことで、安心感が広がった。

主要株価3指数はプラス圏からマイナス圏に一時沈んだが、イエレン氏の議会証言を受けて終盤で再び上昇に転じた。米国債利回りの低下をきっかけにグロース(成長)株に買いが入り、ナスダック総合が上げを主導した。

前日はイエレン氏が連邦預金保険公社(FDIC)の預金保険の全面適用に否定的な見解を示し、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ抑制に向けたコミットメントを改めて表明したことが相場の重しとなり、主要株価指数が大幅安で終了していた。

主要中銀の一連の利上げで銀行経営にストレスがかかる中、地銀を巡り経営不安がくすぶっており、KBW地方銀行株は3.0%安で終了。

S&P500銀行株指数は1.2%下落し、2020年11月以来の安値を付けた。

一方、イングランド銀行(英中央銀行)が国内インフレ率の急上昇はこれまでの予想よりも早く鈍化するとの見通しを示したを受け、金融引き締めの出口が視野に入ったとの期待が高まった。

グロバルト・インベストメンツのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、トーマス・マーティン氏は「利上げの道筋を描いていた中銀は既に利上げを実行した。このため、中銀は高金利による金融安定への影響はさほどの懸念材料ではなく、インフレが最重要課題で金融システムへの最大のリスクだとしてきた。ただ、金融安定への影響が引き続き不安視されている」と述べた。

S&P500業種別指数の中で高く引けたのは通信サービスと情報技術のみだった。

中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクはイエレン氏の議会証言を受けて値動きの荒い展開となり、6.0%安で終了。

半導体大手エヌビディアは2.7%上昇。米証券会社ニーダムの目標株価引き上げを受けた。

米決済サービス企業ブロックは14.8%安。空売りで知られる米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが同社株を空売りしていることを明らかにした。

暗号資産(仮想通貨)交換業の米コインベース・グローバルは米証券取引委員会(SEC)に訴訟の可能性を警告されたことが響き、14.1%急落。

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米取引所の合算出来高は123億5000万株。直近20営業日の平均は128億株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.59対1の比率で上回った。ナスダックでも1.12対1で値下がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32105.25 +75.14 +0.23 32101.49 32511.49 31864.74

前営業日終値 32030.11

ナスダック総合 11787.40 +117.44 +1.01 11811.32 11962.69 11684.52

前営業日終値 11669.96

S&P総合500種 3948.72 +11.75 +0.30 3959.21 4007.66 3919.05

前営業日終値 3936.97

ダウ輸送株20種 13687.68 -22.03 -0.16

ダウ公共株15種 882.54 -8.20 -0.92

フィラデルフィア半導体 3174.36 +82.65 +2.67

VIX指数 22.61 +0.35 +1.57

S&P一般消費財 1106.39 -0.55 -0.05

S&P素材 480.17 -0.67 -0.14

S&P工業 817.61 -1.85 -0.23

S&P主要消費財 749.13 -3.25 -0.43

S&P金融 516.28 -3.42 -0.66

S&P不動産 217.66 -1.35 -0.62

S&Pエネルギー 596.32 -8.24 -1.36

S&Pヘルスケア 1465.45 -2.60 -0.18

S&P通信サービス 188.27 +3.39 +1.83

S&P情報技術 2545.76 +41.32 +1.65

S&P公益事業 323.73 -3.29 -1.01