TikTokのCEO、米議会で集中砲火 中国政府の影響否定

Reuters

発行済 2023年03月24日 05:34

更新済 2023年03月24日 10:46

[ワシントン 23日 ロイター] - 中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の周受資・最高経営責任者(CEO)は23日、米下院エネルギー・商業委員会で開かれた公聴会で証言し、中国政府とのつながりやアプリの若年層への悪影響について議員らの厳しい追及を受けた。

5時間以上に及んだ証言で周氏は中国共産党とのつながりやデータ共有を繰り返し否定し、米国の1億5000万人のユーザーの安全を守るために力を尽くしていると強調。2年以上かけて外国からの不正アクセスを阻止するファイアウオールを構築したと述べ、「米国のデータは国内で保管する」方針を示した。

ただ、証言を受けてTikTokを保有する中国の字節跳動(バイトダンス)を巡る懸念が和らいだ様子は見られず、議員の間ではむしろ米全土でTikTok利用禁止を求める声が強まった。

キャシー・キャスター議員(民主党)は「子どもへの悪影響を最小限にとどめるようデザインできたはずだが、利益追求のために子どもを病みつきにさせる方針を取った」と詰問。

周氏は、こうした問題は「複雑」で、TikTok固有のものではないと応じた。

証言の冒頭では「中国政府の要請でコンテンツを宣伝もしくは削除することはない」と断言。いかなる政府からも操作されないと確約するとともに、子どもに悪影響を与えるコンテンツを厳しく監視していると述べた。

中国政府の要請で米国人に対するスパイ活動を行ったかとの質問には「ノー」と答えたほか、有害なコンテンツの監視・削除のために人工知能(AI)に投資していると明らかにした。

上院の超党派議員団はTikTokなど外国技術を禁止する権限をバイデン政権に付与する法案を提出しているが、周CEOの証言が今後の手続きにどう影響するかは不明。

TikTokは先週、バイデン政権がバイトダンスに対し、保有するTikTok株を売却するよう求めたと明らかにしていた。