3月ロイター企業調査:PBR対策、検討・実施は49% ROE向上やIR強化

Reuters

発行済 2023年03月24日 10:04

[東京 24日 ロイター] - 3月のロイター企業調査で、株価純資産倍率(PBR)対策の実施状況を聞いたところ、回答企業の49%が実施または検討中とした。内容は自己資本利益率(ROE)向上や情報発信(IR)の強化が6割を占めた。一方、51%は「実施も検討もしていない」としており、企業経営者の意識改革の必要性を指摘する声も聞かれた。

調査期間は3月8日から3月17日。発送社数は493社、回答社数は252社だった。

PBRは株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標で、1倍割れは株価が解散価値を下回ることを意味する。昨年7月時点で、PBR1倍未満の企業の比率は、米S&P500で5%、欧州STOXX600で24%だが、TOPIX500では43%となっており、東証は改善を促す方針だ。

この質問に回答した241社のうち、PBR対策を「実施している」が17%、「実施していないが検討中」が32%となった。一方、「実施も検討もしていない」は51%だった。「PBR1倍割れの多くの企業経営者が大きな課題として捉えていない印象がある」(精密機器)との指摘も聞かれた。

実施または検討中と回答した企業が、具体的な対策(複数回答可)として挙げたのは「ROEを高める政策」が66%と最も多く、情報開示や投資家とのコミュニケーションなど「IR」の強化が60%で続いた。このほか自社株買いが48%、増配が38%となった。