米当局、バイナンスCEOら提訴 「違法な」交換所を運営

Reuters

発行済 2023年03月28日 02:06

更新済 2023年03月28日 09:54

[27日 ロイター] - 米商品先物取引委員会(CFTC)は27日、暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンスと同社のチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)ら経営陣を提訴したと発表した。「違法な」交換所を運営し、コンプライアンス対策に実体がなかったとした。

CFTCの訴状によると、バイナンスは少なくとも2019年7月から現在まで、米の法律に違反して米国の利用者に「商品デリバティブ取引を提供し実行」していた。この取引を提供するにはCFTCに登録する必要があるが、CFTCの規制下にあるのは2019年に立ち上げた米交換所運営バイナンス・ドット・USで、バイナンスの交換所は未登録だった。

CFTCはまた、バイナンスがジャオ氏の指示の下、従業員や利用者にコンプライアンス対策の回避を促していたと指摘。顧客の身元確認を怠り、テロ資金供与やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の基本的な手続きも実施しないなどの事例を挙げた。

ロイターは昨年12月、米司法省がバイナンスに対し、マネロンや米国の対外制裁抵触の疑いで調査を行っていると報じていた。

CFTCはまた、バイナンスの元最高コンプライアンス責任者(CCO)、サミュエル・リム氏についても、違反を「ほう助した」として責任を追及している。

資産家のジャオCEOは中国生まれで12歳でカナダに移住。CFTCの提訴は「想定外で遺憾」で、指摘された問題の多くについて、内容に納得できないとコメントした。

バイナンスの広報担当は規制当局に今後も協力するとコメント。同社交換所で米顧客の使用を制限するため、多額の投資を行ってきたとした。

CFTCのベナム委員長は、バイナンスの幹部らは何年もの間、ルール違反を把握していたと批判した。

バイナンスが発行する「バイナンスコイン(BNB)」は約4%安となった。