ブリッジ Research Memo(8):新規採用の強化及びデジタル基盤構築などの積極投資を継続

Fisco

発行済 2023年03月28日 15:38

*15:38JST ブリッジ Research Memo(8):新規採用の強化及びデジタル基盤構築などの積極投資を継続 ■今後の見通し

● 2023年12月期業績見通し
ブリッジインターナショナル (TYO:7039)の2023年12月期業績は、売上高7,662百万円(前期比14.2%増)、営業利益939百万円(同6.6%増)、経常利益939百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益629百万円(同5.9%増)を見込んでいる。
EBITDAベースでは8.6%増を計画。
インサイドセールス事業の2ケタ成長に加えて、研修事業は顧客の人的資本強化の為のリスキリングやDX人材育成の需要を取り込む。


新たな生活様式による時代の流れを受けて、リモートによる営業活動への期待値はかつてないほどに高まり、今後も重要度は増すと考えられている。
従来の外勤型営業であるフィールドセールス(訪問営業)に対し、電話やメール、チャットなどのコミュニケーションツールを活用した内勤型の営業活動として定義されている「インサイドセールス」。
近年多くのBtoB企業が導入を進め、スタンダードな営業スタイルとして定着しつつある。


世界シェアトップの米国顧客情報管理(CRM)ソフトウェアである「Salesforce Customer 360」などを提供する米国セールスフォースの2022年11月~2023年1月期業績は、売上高が前年同期比14%増の83億8000万ドルとコンセンサス(79億9000万ドル)予想を上回った。
コロナ禍で2021年に大きく成長した後は、反動から足もとで減速が見られていたものの、今四半期で回復を見せた。
景気の先行き不透明感がくすぶるなか、今後の就業人口の減少に備えた効率的・合理的な企業活動を実現する手段としてインサイドセールス組織の立ち上げや、関連するシステム開発を進められることが見込まれており、市場環境は良好と見ていいと、弊社では考えている。


企業向け研修サービスについては、IT事業者のエンジニア人材育成の研修コンテンツを維持・拡大すると同時に、経済産業省が推奨する、リスキリングに対応した非エンジニア人材向けに研修コンテンツを強化することで、IT事業者・エンジニア以外の新たな顧客獲得・拡大を行う。


なお、コロナ禍対策としての行動制限が緩和され経済活動は正常化に向かうなか、東京都が発表した1月の都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は51.7%だった。
12月の前回調査(52.4%)に比べて0.7ポイント減少したものの、依然として高水準である。
法人営業活動においてインサイドセールスが本格的に導入されているものの、一方で本格的なインサイドセールス導入に際しては、依然として新規顧客へのアプローチシナリオの策定と改善、デジタルマーケティング機能や組織との連携などの課題を抱えていると見られ、関連サービス提供の需要は拡大が見込まれる。


このような外部環境において、2023年12月期の営業利益は前期比6.6%増の939百万円を計画するなど、見劣りする計画との見方もあるだろう。
ただし、前述のとおり同社は品質重視に重きを置いているため、市場の成長とともに単に事業を拡大させることはせず、顧客企業の信頼性を高めることに注力している。
また、本社・事業所への出社を前提としない、「フルリモート就業」インサイドセールス職の従業員採用を強化するなど、中長期的な成長を実現するための新規採用の強化のほか、デジタル基盤構築などの投資を進める。
なお、投資計画については利益の範囲内で行われるようであり、減益は見込んでいない。


2023年12月期の投資計画については、自社システム開発は継続しつつ、デジタル戦略投資・マーケティング投資・人への投資などで、241百万円を予定し、若⼲の収益性低下を予想している。
「SAIN」等開発費については、AIサービス「SAIN」等に23百万円、デジタル戦略投資では、事業系および業務系DX投資や学習管理システム導入・ECシステム入替等に57百万円、マーケティング投資として、新規サービス認知獲得や新規顧客開拓に55百万円、人への投資として、昇給や研修等に加えて、採用人数を前年比1.5倍以上に計画するなかで106百万円を投じる。
なお、人材採用を強化するため、2023年4月1日入社の新卒入社社員初任給を昨年度実績から最大11.1%上積みし、初年度給与を最大で同15%引き上げることを決定した。
中期的に確実な事業成長を達成するためには、優秀な若手人材の確保が必要不可欠として、今回の新卒入社社員を対象とした給与水準の引き上げを実施する。


(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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