米当局、金融規則見直すべき リスクに確実に対応=財務長官

Reuters

発行済 2023年03月30日 23:26

更新済 2023年03月31日 00:45

[ワシントン 30日 ロイター] - イエレン米財務長官は30日、シリコンバレー銀行(SVB)およびシグネチャー・バンクの破綻を受けて、銀行規制と監督規則を見直し、現在の銀行システムリスクに確実に対応する必要があると述べた。

全米企業エコノミスト協会(NABE)向けの講演原稿で、拡大している銀行以外の金融機関であるノンバンク(シャドーバンク)セクターに対する規制強化も呼びかけた。

イエレン氏は、2018年に実施された銀行の自己資本規制の緩和と資産2500億ドル未満の中小銀行に対する監督強化について見直す必要があると指摘。「銀行が破綻するときはいつでも深刻な懸念を引き起こす。近年、規制要件は緩和されており、こうした規制緩和の影響を評価し、それに応じて必要な措置をとることが適切だ」とした。

また、08年の危機後に実施された規制改革は米国の金融システムが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を含むショックを乗り切るのに寄与したと言及。「今月の2つの地方銀行の破綻はわれわれの仕事が未完成であることを示している」一方、金融システムは15年前よりも大幅に強化されているとし、「このことは、特定の金融機関に対する懸念が高まっているにもかかわらず今月は銀行セクター全体が比較的安定していることからもよく分かる」と語った。

ただ、現在の監督・規制体制が「銀行が今日直面しているリスクに対して適切かどうか」を米規制当局が精査することが重要で、「必要なら、これらのリスクに対応するために行動しなければならない」とした。