アルプス技研 Research Memo(7):社会的課題の解決を通じた持続的成長を目指す(1)

Fisco

発行済 2023年04月11日 15:47

更新済 2023年04月11日 16:00

*15:47JST アルプス技研 Research Memo(7):社会的課題の解決を通じた持続的成長を目指す(1) ■中長期の成長戦略

1. 中長期成長ビジョン
アルプス技研 (TYO:4641)は今後の事業展開の方向性について、「市場」と「事業」を2軸として、それぞれ既存と新規の場合に分けた4象限のポートフォリオで説明している。
また、次世代を創る施策として、採用、教育、営業の3つの柱を軸に、オンライン環境を施策に連動させ、CS(顧客満足度)ブランドの強化を図る方針である。


(1) 最先端技術(高単価ゾーン)の開発設計業務(新規市場、既存事業)
AIやIoT、ロボット、ハイブリッド・EV車、航空宇宙関連、医療関連など様々な先端技術領域の開発設計であり、社会的ニーズのある技術の変遷に応じて対応市場の拡大を図る。
既にAIや先端技術分野の稼働人数増加に向けてプロジェクトを組成するなど、人材育成を積極的に推進している。


(2) 新規事業の可能性検討(新規市場、新規事業)
異分野開拓(アグリテック・アグリビジネス等)と介護人材の活用、M&Aなどを進める方針である。
前述のとおり、農業関連分野及び介護関連分野については新会社を設立し、新たな人材派遣事業の展開に向けて具体的に動き出した。


(3) グローバル展開(既存市場、新規事業)
基本的には、顧客企業の海外進出に伴って、現地での生産設備構築や運用などのサービスを提供する。
地域的には当面は中国やアジアが中心となる。
また、ブリッジエンジニアのようなグローバルエンジニアの活用を図る。


(4) 高度技術サービスの提供(既存市場、既存事業)
既存の機械設計、電気・電子設計、及び開発などのサービスである。
同社の安定的収益源でもあり、今後ともプロジェクト管理体制などの強化で事業拡大を図る。


(5) 先行者利益の享受(既存市場、新規事業)
外国人材の育成・採用や、技術・農業・介護分野での外国人活用ノウハウにおいて、先行者利益を享受する。


2. 中期経営計画のテーマとその進捗
同社は創業以来、5年単位の定性目標及び3ヶ年の定量目標(ローリング方式による中期経営計画)を推進してきた。
2018 年7月に創業50周年を迎え第2創業期が本格始動するにあたり、次の5ヶ年計画(2023年までにありたい姿)を公表した。
「新産業革命時代に向けた経営資源の再投資」をテーマに掲げ、以下の3つの施策に取り組み、これまで一定の成果を上げてきた。


1) アウトソーシング市場における持続可能な競争優位性の創出
成長分野へのシフトを進めながら、売上高は2018年12月期比で33%増、グループ全体の社員数も同31%増と順調に拡大してきた。
グローバル人材についても2018年よりアグリ人材の採用を開始し、新たなモデルによる人材派遣市場の創出に向けてスタートを切った。


2) 投資の拡大による成長の加速と収益基盤の強化
新規事業への参入を目的として、2018年にアグリ&ケア(現 アルプスアグリキャリア)を設立するとともに、2020年にはDONKEY設立やデジタル・スパイスの子会社化により「ものづくり事業」の強化を図った。
2021年には介護関連事業を展開するアルプスケアハートを設立、2023年にはパナR&Dを吸収合併するなど、グループ経営を通じた事業ポートフォリオの強化にも取り組んでいる。
特に農業・介護関連分野といった社会的課題の解決に向けた活動や「ものづくり事業」の強化に向けて、これまでとは違った投資を実施しているところが特徴的と言える。


3) 事業環境の変化に対応した人材育成と組織の最適化
2018年にプロジェクトを組成し、先端技術者の教育を加速したほか、環境変化に対応したオンライン活用(自社内でスタジオを整備し、採用・教育・営業の場で活用するなど)を推進してきた。
また、管理職に占める女性の割合を5.3%(2018年末比1.5pt増)に高めるなど、事業特性から男性が多くなる傾向が強い技術者集団の中においても、女性の活躍推進に取り組んでいる。


また、3ヶ年の定量目標(ローリング方式)については、2025年12月期の売上高52,700百万円、営業利益5,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,600百万円を目指すとともに、ROEも20%以上を確保する計画である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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