台湾TSMC、第2四半期は最大16%の減収予想 在庫処理に苦慮

Reuters

発行済 2023年04月20日 14:53

更新済 2023年04月20日 22:36

[台北 20日 ロイター] - 半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は20日、第2・四半期の売上高が最大16%減少するとの見通しを示した。世界経済が低迷し、在庫処理に苦慮していることが背景。

第2・四半期の売上高予想は152億─160億ドル。前年同期は181億6000万ドルだった。

同時に発表した第1・四半期決算は、純利益が2%増の2069億台湾ドル(67億6000万米ドル)となり、市場予想を上回った。

リフィニティブがまとめた市場予想は1928億台湾ドルだった。

世界経済の低迷で自動車、スマートフォンなど幅広い用途の半導体の需要が振るわず、小幅な増益率にとどまった。

魏哲家・最高経営責任者(CEO)は決算会見で、第1・四半期は「最終市場の需要軟化」が響いたと指摘。在庫水準が予想を「大幅に上回って」おり、第3・四半期もそうした状況が続く可能性があると述べた。

同CEOは下半期の事業が上半期から改善すると予想。足元の市場は低迷しているが、長期的な需要を踏まえて投資していると述べた。

TSMCは、業界の在庫水準は想定を上回っており、第3・四半期に一段と健全な水準になるとの見通しを示した。財務責任者によると、「第2・四半期に向け、当社の事業は顧客の在庫調整に引き続き圧迫される」との見方を示した。

2023年のメモリーを除く世界的半導体市場は1桁台半ば、ファウンドリー市場は1桁台後半の縮小率を記録すると予想。TSMCは両市場ともこれをアウトパフォームするとした。

高雄の新工場については、先に発表した28ナノではなく、より先端の半導体に焦点を当てると指摘。欧州では自動車用チップのための製造工場を建設する可能性を検討しているという。

第1・四半期の売上高は前年比4.8%減と、同社の従来予想に沿った水準だった。

高性能コンピューティング用半導体とスマートフォン用半導体が売上高のそれぞれ44%、34%を占めた。中国向けの純売上高は12%から15%に増加。北米向けは69%から63%に減少した。