UBS、第1四半期は52%減益 米RMBS訴訟で引当金積み増し

Reuters

発行済 2023年04月25日 14:58

更新済 2023年04月25日 17:00

[チューリヒ 25日 ロイター] - スイスの金融大手UBSグループが25日発表した第1・四半期決算は52%減益となった。過去の訴訟に絡み引当金を積み増したことが響いた。

クレディ・スイス買収を指揮するため復帰したセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)はオンライン動画で、「厳しい」経済状況が顧客の心理を悪化させたと述べた。

クレディ・スイス統合プロセスの開始に当たり「時間が必要だ。困難なものになる」と警告した。

UBSの株価は寄り付きで4.6%下落した。

第1・四半期の株主帰属純利益は10億3000万ドル。同社がまとめたアナリスト予想平均の17億1000万ドルを下回った。

世界的に銀行セクターに対する懸念が根強く、顧客の活動は「第2・四半期も低迷する可能性がある」とした。その一方で、金利上昇により融資業務の収入が増加するとの見方を示した。

UBSは米住宅ローン担保証券(RMBS)を巡る訴訟に関連して引当金を6億6500万ドル積み増した。

富裕層向け資産管理で世界トップのUBSは、第1・四半期に420億ドルの資金が流入したと発表。旗艦ウェルスマネジメント部門には280億ドルの純新規資金が流入し、うち70億ドルは3月最後の10日間にもたらされた。

同部門の収入と税引前利益は前年比でわずかに減少した。金利の上昇により預金収入が増加したが、一部の顧客が利益率の低い商品にシフトしたと説明した。

UBSは昨年の年次報告書で、2007年までの5年間に米RMBSの発行者と引受人となっていたことを説明した。