株価急伸のエヌビディア、業績受けた予想上方修正でPERは低下

Reuters

発行済 2023年05月31日 15:58

[ニューヨーク/サンフランシスコ 31日 ロイター] - エヌビディアの株価がここ数日急上昇したが、株価収益率(PER)は低下している。

 エヌビディアは30日に3%高の401.11ドルで引けた。過去3日で31%以上の上げとなり、一時時価総額が1兆ドルを突破した。

 エヌビディアのPERは約45倍。リフィニティブのデータによると、強気の売上高見通しを公表する1週間ほど前の5月18日には62倍だった。

予想PERの低下は同社に対するウォール街の業績予想が株価よりも速く引き上げられたためだ。

第2・四半期の1株利益(EPS)に対するアナリストのコンセンサス予想は2.05ドルに上昇。アナリストは平均で目標を95%引き上げ、通年のEPS予想は71%増の7.75ドルとなっている。

 エヌビディアは24日、アナリスト予想を50%以上も上回る売上高予想を示し、ジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)は需要急増に対応するために供給を大幅に増やしていると述べた。

リフィニティブのデータによると、アナリストによる目標株価の中央値は先月末の300ドルから450ドルに引き上げられた。

バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、「現在の強さが新たな軌道を示すものかどうかを見極めている」と指摘。先週の発表前の高バリュエーションは、予想が低すぎたということだとし、「それが再び起こるかどうか」が注目だと述べた。

 ハーグリーブス・ランズダウンのマネー&マーケット責任者、スザンナ・ストリーター氏は、サプライチェーンの圧力などの問題に注意する必要があり、これらが価格のボラティリティーをもたらす可能性があるとの見方を示した。「エヌビディアはAIの最前線にあり、成長の変化が短期間で終わるとは考えにくいが、この規模の大規模成長には課題ももたらされる」と述べた。