底堅さ確認し安心感も目先の天井打ったか

Fisco

発行済 2023年06月09日 12:21

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;32149.76;+508.49TOPIX;2218.89;+27.39


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は500円超の上げ幅で32000円を回復。
前日は後場に31500円を割り込む場面もあった日経平均だが、大引けにかけて持ち直し、心理的な節目は維持して終えていた。
また、日経225先物は9日の夜間取引において一時31440円まで下落する場面があったが、結局、31500円は回復し、31830円まで上昇して終えた。
7日、8日と乱高下して大きく崩れていただけに、31500円を意識した底堅さの確認と本日の大幅高による32000円の回復は安心感につながっている。


 一方、7日および8日と大きく崩れていた場面では改めて売り方がショート(売り持ち)を積み上げていた可能性もある。
そのため、31500円割れに度々失敗した動きを受けて、売り方が早々に買い戻しに転じたことが想定され、本日の株高にはこうした一過性要因も含まれている可能性があろう。
また、日経平均は32000円を超えた後はもみ合いが続いていて、6日までの勢いは見当たらない。
7日午前に付けた32708.53円により目先の天井を打った感は強まっている。


 一方、日本取引所グループ(JPX)が8日に公表した投資部門別売買動向によると、外国人投資家は5月第5週(5月29日-6月2日)、現物で5298億円の買い越しと10週連続の買い越しを見せた。
買い越し幅は前の週の4096億円から増加した。
将来の反対売買を伴わない現物による買い越し記録が長期化しているあたり、日本株を巡る構造変化への期待は引き続き高いようで、日経平均は目先の天井を打ったとしても、下値も堅そうだ。


 ただ、来週は米国および欧州、日本において各国中央銀行による金融政策決定会合が開催される予定で、イベント前に目先は手掛けづらさが意識される。
米国では、新規失業保険申請件数の増加に伴う長期金利の低下で、前日は再びハイテク株買いが復活した一方、今週に入って上昇が目立っていたラッセル2000は下落し、出遅れ感の強い中小型株への物色が小休止した。


 東京市場でもマザーズ指数は週前半に強い動きを見せたものの、7日からは地合いに連れ安して、節目の800ポイントには届かず失速、本日も上昇してはいるが、日経平均や東証株価指数(TOPIX)に比べて上昇率は小幅にとどまっている。
出遅れ感のある中小型株の上昇が早々に一服して、物色の裾野が広がらないようであれば本格的な強い上昇相場にはつながりにくいと思われる。
来週のイベント通過後に中小型株が再び強い動きを見せることができるかが注目点になろう。

(仲村幸浩)
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