三和HD Research Memo(7):「三和グローバルビジョン2030」、「中期経営計画2024」を推進(1)

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発行済 2023年07月03日 13:07

*13:07JST 三和HD Research Memo(7):「三和グローバルビジョン2030」、「中期経営計画2024」を推進(1) ■三和ホールディングス (TYO:5929)の中長期の成長戦略

1. 「三和グローバルビジョン2030」、「中期経営計画2024」の取り組み
現在取り組んでいる長期ビジョンの三和グローバルビジョン2030では、「To be a Global Leader of Smart Entrance Solutions ~高機能開口部のグローバルリーダーへ~」をビジョンとして掲げている。
気候変動やデジタル化など、激しく変化する社会のニーズに応える高機能な開口部ソリューションをグローバルに提供するとともに、サステナビリティ経営と人材力強化により全てのステークホルダーから評価される企業グループを目指すものだ。
2031年3月期に向けた基本戦略として、(1) 「日・米・欧・ア 世界4極体制でのコア事業の拡大、強化」、(2) 「防災・環境対応、製品・サービスのスマート化による顧客価値創造」、(3) 「デジタル化とものづくり革新による生産性向上」、(4) 「M&Aを活用したコア事業強化と新規事業領域への拡大、(5) 「サステナビリティ経営によりグローバルに評価される企業グループへ」の5つを掲げる。


長期ビジョンにおける最初の3年を「中期経営計画2024」(2023年3月期~2025年3月期)と位置づけ、気候変動やデジタル化で変化する社会のニーズに応える高機能開口部ソリューションのグローバルリーダーに向けた基盤の確立を目指す。
それを実現するための基本戦略として、(1) 「日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大」、(2) 「アジア事業の成長力強化」、(3) 「防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進」、(4) 「デジタル化とものづくり革新による生産性向上」、(5) 「サステナビリティ経営の推進」を掲げている。
特に、アジアの現状は目指す姿との乖離が大きく、強化のポイントである。
また、防災・環境対応製品、あるいはサービスのスマート化やデジタル化も強化の必要がある。
ただ、後述するように、基本戦略の達成に向けて着々と実績を積み上げている。


数値目標としては、最終年度の2025年3月期には、売上高5,800億円(年平均成長率7.3%)、営業利益450億円(同8.2%)、SVA190億円、ROIC17.5%、ROE13.5%など、主要指標で過去最高を目標に掲げる。
また、自己資本比率51.1%、DEレシオ0.21倍を目標に財務の安全性を十分に確保しながら、キャッシュ・フローと手元資金水準を考慮し、2023年3月期から配当性向を40.0%目安に引き上げている。
成長のための設備投資を大幅に増加する一方で、株主還元にも積極的に対応する方針である。
また、セクター別では、日本は売上高2,760億円(年平均成長率5.3%)、営業利益275.0億円(同4.0%)を、米州(ODC)は売上高1,820億円(同9.4%)、営業利益135.0億円(同17.2%)を、欧州(NF)は売上高990億円(同4.9%)、営業利益62.0億円(同16.4%)を、アジアは売上高160億円(同27.7%)、営業利益8.0億円(同88.7%)を計画する。
グローバル・メジャーとして、日本での盤石な地位を確保・拡大するとともに、米・欧・アでの飛躍的な売上高・利益の拡大を目指す意欲的な計画といえよう。


計画初年度の2023年3月期業績は、米州を中心に好業績で最終年度の数値目標を2年前倒しで大きく上回った。
2年目の2024年3月期も、前期から減益予想ではあるが引き続き最終年度の数値目標を上回る水準であり、計画は順調に推移している。
同社では、基本戦略を着実に実行することで中期経営計画を達成する考えであり、今後の進捗状況に注目したい。


2. 基本戦略(1):日・米・欧のコア事業の強化、領域拡大
顧客ニーズに的確・迅速に対応し、シャッター事業・ドア事業及びサービス事業を含めたコア事業の強化・拡大を図る。
第1に、シャッター事業・ドア事業のシェア拡大を目指す。
シャッターやドアなどの基幹商品を、住宅事業及び非住宅事業において拡大し、販売価格アップも同時に行う。
そして、事業拡大に向けた体制を強化していく。
初年度には、日本での基幹商品は堅調に伸びており、今後も潤沢な需要を取り込む考えだ。
欧米では住宅市場が弱く、非住宅分野でカバーする施策を打つ計画だ。


第2に、サービス事業の拡大を図る。
サービス事業(修理、メンテ、保守点検など)は、同社のビジネスにとっては非常に重要な部分であり、日本が他地域に比べて利益率が高い理由でもある。
これを重点的に伸ばすことで、売上高を2022年3月期の640億円から2025年3月期には760億円まで拡大する。
2023年3月期実績は742億円、2024年3月期予想も795億円と、日本を中心に順調に推移している。
米国では自動ドアのサービス事業のM&Aも行っており、欧州も堅調だ。


第3に、M&Aを活用した事業強化と領域拡大を目指す。
シャッター、ドア事業、サービス事業などコア事業の強化、建具から周辺事業への展開による新しい領域の拡大を目指し、3年間で約200億円をM&Aに投じる計画だ。
実績としては、2022年に香港AUB社を買収、2023年1月には米州でDoor Control社を買収したが、規模的には小粒にとどまっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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