レアジョブ Research Memo(9):2025年3月期の営業利益10億円を経営目標に設定

Fisco

発行済 2023年07月14日 14:29

*14:29JST レアジョブ Research Memo(9):2025年3月期の営業利益10億円を経営目標に設定 ■今後の見通し

2. 中期経営計画
レアジョブ (TYO:6096)が成長戦略の中心に置いているサービスは「PROGOS」である。
同社は「PROGOS」により、各事業で収集されるアセスメントデータを蓄積するアセスメントデータプラットフォームを競争優位の源泉としている。
まず、英語スピーキング力のアセスメントから開始し、英語リーディング・リスニング・ライディング力やグローバルビジネスに必要なスキル等へとアセスメントの対象を拡大させていく方針である。
将来的には、同社はオンライン英会話の会社からAIアセスメントカンパニーと呼ばれる存在を目指す。


同社は、「PROGOS経済圏」を創出していく考えである。
現在、英語力のアセスメントといえば、大人向けではTOEIC(R)、子供向けでは英検(実用英語技能検定)が非常に大きな市場となっている。
なかでも、企業の人事採用では英語力の判断材料としてTOEIC(R)を採用しているケースがほとんどである。
同社はTOEIC(R)経済圏を500億円から1,000億円の規模であると推計している(TOEIC(R)を受験する市場だけでなく、TOEIC(R)対策書籍などを含む)。
同社としては、まずは「PROGOS」が英会話力のアセスメントとして、主要なサービスとなることを目指している。
それが実現された際には、TOEIC(R)経済圏と同様の規模の500億円から1,000億円の「PROGOS経済圏」が創出できると見込んでいる。
そして、「PROGOS経済圏」のうち、100から200億円(経済圏の1~2割程度)を同社が獲得することを想定している。
2023年3月期の「PROGOS」について、受験回数は前期比51.3%増の20万回以上となった。


以下は、各事業における成長戦略である。


(1) 個人向け事業
個人向けサービスに関しては、英会話を中心に社会で活躍するために必要な幅広いスキル・資格を学ぶサービスへと拡大させていく戦略である。
ただ、現状のオンライン英会話市場では、コロナ禍のため海外との往来が減少したことなどから英会話ニーズが一時的に減退していること、急激な円安進行により講師への支払報酬の増加で収益性の悪化が見込まれるなどの懸念がある。
こうしたなか、同社は現状を踏まえた成長へのアクションとして、平均約20%サービス提供価格の改定、サービスの高付加価値化に取り組んでいる。


同社は、個人向けサービスについて内容の改善を行ってきたが、価格については約8年間変更を行ってこなかったが、料金プランの多様化も進め、既存会員向けにもこの5月から実質20%程度の値上げを実施する形となった。
オフラインの英会話スクールとの価格差は大きく、価格を上げていく余地があるとの考えである。
直近までの状況において、値上げによる会員の退会加速などネガティブな影響は小さく、同社では引き続き会員数の拡大と新料金プランでの利益率拡大の両軸から業績拡大を進める計画である。


(2) 法人向け事業
企業向け法人研修のアドバイザリーポジションを狙う戦略である。
まずは、ビジネスパーソンのグローバルビジネススキルの可視化を行う。
次に、グローバルリーダーの輩出に向けて、アセスメントに基づく人事向けソリューションサービスを拡大していく計画である。
足元においては、「PROGOS」を飛躍的に普及させるため、大企業を中心に導入を進めていくことを狙っている。


(3) 文教向け事業
オフラインとオンラインを組み合わせた教育サービスとして、K12(未就学児(幼稚園の年長)から高校卒業までの教育期間)領域へ展開させていく戦略である。
現状、「PROGOS」はビジネスパーソン向けの英会話力アセスメントに特化しているが、小学校高学年から高校生も視野に入れる。
すでに、米国や中国では入学試験の英語で、AIを活用したアセスメントが取り入れられており、日本でも同様の展開が広がることを見越したものである。


また、2023年4月に完全子会社化した(株)ボーダーリンクのALT派遣事業を起点に、幼児から高校生まで一気通貫の英語関連教育サービスを提供することで、事業の拡大を見込んでいる。


(4) 海外向け事業
同社グループのサービス販売と事業アセットを活用したサービスを展開していく戦略である。
具体的に進んでいる取り組みとしては、フィリピンのBPO事業者への「PROGOS」導入などが挙げられる。


(5) 経営数値目標
同社では、中期的な経営目標として2025年3月期に営業利益10億円を目指すとしている。
ALT事業の拡大や、法人営業の増員やシステム開発の投資を行うなど、目標達成のために様々な施策を実行していくと見られる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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