日経平均は小幅に3日続落、米雇用統計を受けた金利動向を注視

Fisco

発行済 2023年08月04日 12:13

*12:13JST 日経平均は小幅に3日続落、米雇用統計を受けた金利動向を注視  日経平均は小幅に3日続落。
28.34円安の32130.94円(出来高概算8億1610万株)で前場の取引を終えている。


 3日の米株式市場でダウ平均は66.63ドル安(-0.18%)と小幅続落、ナスダック総合指数は-0.09%と小幅に3日続落。
長期金利の一段の上昇を警戒した売りが先行。
7月ISM非製造業景況指数やサービス業PMIが予想を下回ったことも売り材料となり、軟調に推移した。
一方、雇用統計や主要ハイテク企業の決算を控えた様子見ムードから下値は限定的だった。
日経平均は140.22円安からスタートすると売りが先行し、一時31934.35円(224.93円安)まで下落。
ただ、短期間での急ピッチの下落による自律反発が意識され、心理的な節目割れからは買い戻しが入り、プラス圏に浮上する場面もあった。
国内の長期金利の上昇が一服していたことも目先の安心感を誘った。
ただ、今晩の米雇用統計を前に様子見ムードが強く、戻り一服となった後は再び軟化した。


 個別では、任天堂 (TYO:7974)が好決算ながらも出尽くし感から大きく下落。
営業損益が赤字に転落した古河電工 (TYO:5801)、第1四半期が想定外の2桁減益となったエア・ウォーター (TYO:4088)、サプライズに乏しい決算で手仕舞い売りが膨らんだGウイン (TYO:8111)、ほぼ想定線も出尽くし感が先行したTDCソフト (TYO:4687)などが大きく下落。


 一方、業績を大幅に上方修正した日東紡 (TYO:3110)がストップ高買い気配のまま終えている。
棚卸資産影響前の営業利益の増益が評価されたUACJ (TYO:5741)、第1四半期営業利益が市場予想を大幅に上回ったZHD (TYO:4689)、第1四半期大幅増益で好スタートを切ったシグマクシス (TYO:6088)などが急伸。
業績及び配当予想を上方修正した品川リフラクトリーズ (TYO:5351)はストップ高となっている。
ほか、株主還元強化を評価した動きが続いた郵船 (TYO:9101)、川崎汽船 (TYO:9107)の海運のほか、保険料の事前調整など複数の問題を背景に直近の下落がきつかった東京海上 (TYO:8766)、SOMPO (TYO:8630)などの保険が大幅反発。
サウジアラビアの自主減産延長による原油市況の反発を受けてINPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)などが高い。


 セクターでは繊維製品、その他製品、ゴム製品が下落率上位に並んだ一方、海運、保険、鉱業が上昇率上位に並んだ。
東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の49%、対して値上がり銘柄は46%となっている。


 本日の日経平均は寄り付き直後に32000円割れを見た後はすぐに切り返すと、一時は安値から300円超上昇するなど、心理的な節目を意識した底堅さが見られた。
一方、戻りの一服も早く、その後は次第に値を切り下げる展開となっている。


 2日、3日と日米の長期金利の上昇が株式市場の下落につながっていただけに、金利への影響力の大きい米雇用統計の発表を今晩に控えるなか様子見ムードが強まっているようだ。
前日3日の米10年債利回りは4.18%と、2日の4.09%からさらに上昇した。
米名目金利から期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率を差し引いた米10年実質金利は3日に1.81%と、7月7日に付けた1.79%を上回り、2009年3月以降で最高水準にまで上昇した。


 一方、前日まで上昇が続いていた日本の新発10年物国債利回りは、本日は上昇一服となっており、長期国債先物も下げ渋っている。
前日は日本銀行が午後に臨時の国債買い入れを実施したにもかかわらず、長期金利が低下したのは一時的ですぐに低下分を埋める動きとなっていた。
日銀を試すかのような海外投機筋と思われる向きからの国債売りが入っていたとみられるが、本日はいったん小休止しているもようだ。


 しかし、今晩の米雇用統計で市場予想を上回る数値が出た場合には、足元で金利動向に神経質になっているタイミングでもあるため、米長期金利の一段の上昇を通じて日米ともに株式市場へのマイナス影響が懸念される。
その場合には、本日いったん小休止している日本の長期国債への売りが再燃する可能性もあろう。


 来週は米国で10日に消費者物価指数(CPI)も発表される。
目先は金利動向に神経質な展開が想定され、ハイテク・グロース(成長)株の押し目買いは控えた方がよいだろう。

(仲村幸浩)
アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。 上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。

ログアウト
本当にログアウトしますか?
いいえあり
キャンセルあり
変更を保存