David Shepardson
[上海 30日 ロイター] - 中国を訪問中のレモンド米商務長官は30日、上海で行った記者会見で、米企業の中国事業展開への意欲のほか、市場アクセスを巡る中国当局者と一段の取り組みへの期待を表明した。
レモンド長官は前日、北京から上海に向かう高速列車内で記者団に対し「中国はリスクが高くなりすぎて投資できない(uninvestible)国になっているという声が米企業の間で高まっている」とし、法外な罰金や家宅捜索、改正「反スパイ法」など、米企業は新たな挑戦に直面していると述べていた。
この日の記者会見で、中国首脳との会談を始める時にインテルやボーイングなどの米国企業に影響を与えている問題の打開は期待していなかったとしながらも、会談の結果、向こう数カ月で「何らかの成果が見られる」ことに期待を表明。「米企業には(中国で)事業を継続する意欲がある」とし、米企業には関係をうまく機能させたいという強い意欲があると述べた。同時に、中国政府の一部の行動は前向きとしながらも、レトリックに見合う現場の対応が必要との考えも示した。
その上で、米国は中国とのデカップリング(分断)を望んでいないと主張。多くの困難な問題について対話を続けるという合意を楽観視しているとし、「一段と大きな対立に向けて漂流するようなことはしたくない。米中だけでなく、世界全体にとって望ましいことではない」と語った。
輸出規制については、中国と非公式な情報共有を定期的に行う見通しを示し、輸出規制は中国だけを対象にしたものではないと表明。輸出規制を巡る対話は誤解の可能性を引き下げるためのものだとし、「米国は国家安全保障を損なう行動を標的にしている。第1回目の会議で中国を標的にしているのではないと明確に示すことができた」と述べた。
また、自身の電子メールアカウントがハッカーに不正侵入されたことを中国側に報告し、「信頼を損なう行為」だと伝えたと明らかにした。