Deborah Mary Sophia Katherine Masters
[28日 ロイター] - 米スポーツ用品大手ナイキが28日発表した第1・四半期(6─8月)決算は、利益が市場予想を上回った。需要減退や根強いコスト圧力が重しとなる一方、スニーカーやアパレル製品の値上げが奏功した。
これを受け、株価は引け後の時間外取引で約8%急伸した。
6四半期連続で低下した粗利益率についても、第2・四半期は1%の改善を見込んだ。予定している値引きが比較的少ないことや輸送コストの低下が背景。
第1・四半期は利益が14億5000万ドル、1株当たり0.94ドルで、アナリスト予想の0.75ドルを超えた。
売上高は129億4000万ドルで、アナリスト予想の129億8000万ドルに届かなかった。
在庫は10%減少。年末商戦を前に余剰在庫の圧縮が進んでいる様子がうかがえて、今後大幅な値引きを迫られるのではないかと心配していた一部投資家の安心感を誘った。
地域別に見ると、北米市場では米消費者の財布のひもが固くなって卸売業者が発注を減らした影響から、売上高は2%減った。一方中国市場はアパレル製品主導で5%の増収となったが、アナリストが予想した15.4%増ほど伸びなかった。
通年の業績見通しは据え置き、第2・四半期売上高は小幅な増加を見込んだ。LSEGのデータによると、アナリスト予想は2.1%増の135億9000万ドル。
マシュー・フレンド最高財務責任者(CFO)は、消費者の需要が高まるランニングシューズを強化する方針を示した。バスケットボールシューズについても「ナイキ」と「ジョーダン」の両ブランドでスタイルを刷新するほか、新ブランド「コービー」にも注力するとした。
ナイキの主要な収益源であるジョーダンブランドを巡っては、転売市場で一部の価値が低下する中、ブランドの勢いが失われているとの懸念が投資家の間で出ていた。